アモキシシリンカプセル250mg 副鼻腔炎に関する医師への質問82件
前回の小児急性鼻副鼻腔炎治療に引き続き、今回は大人の急性鼻副鼻腔炎治療について紐解いていきましょう。中耳炎と同じく年齢により原因菌や耐性率、使用できる薬剤に違いがあるので、選択する抗菌薬も変わってきます。
アモキシシリン, 1回500㎎, 1日3~4回 ; 第二選択 ; レボフロキサシン, 1回500㎎, 1日1回.
急性副鼻腔炎に対するアモキシシリン(商品名:サワシリンほか)10日間投与の効果を、プラセボとの比較で検討した無作為化試験の結果、投与開始3日後、10日後での症状改善は認められなかったことが報告された。ただし7日後ではアモキシシリン群で有意な改善が認められたという。急性副鼻腔炎への抗菌薬投与に関するエビデンスは乏しいものの、医療現場では広く投与が行われている。本報告は、米国・ワシントン大学総合医科学部門のJane M. Garbutt氏らが、約170人について行った無作為化プラセボ対照試験の結果で、JAMA誌2012年2月15日号で発表した。
研究グループは、2006年11月1日~2009年5月1日にかけて、米国ミズーリ州10ヵ所の医療機関で治療を受けた、合併症のない急性副鼻腔炎の成人166人(男性36%)について試験を行った。
被験者を無作為に二群に分け、一方にはアモキシシリン1,500mg/日(1日3回投与、85人、平均年齢32歳)を、もう一方にはプラセボを(81人、同31歳)、それぞれ10日間投与した。被験者には、その他に、痛みや発熱、咳、鼻づまりの症状を抑える薬が必要に応じて5~7日間投与された。対症療法は92%(アモキシシリン群94%、プラセボ群90%、p=0.34)。
主要アウトカムは、副鼻腔アウトカム尺度16により測定した生活の質(QOL)だった。副次アウトカムは、患者の後ろ向き自己評価による、症状や機能上の変化、再発や治療に対する満足度、副作用などだった。アウトカムの評価は、治療開始後3、7、10、28日後に、電話インタビューにより行われた。
その結果、副鼻腔アウトカム尺度16の変化の平均値は、治療開始3日後でアモキシシリン群が-0.59に対し、プラセボ群は-0.54(群間差:0.03、95%信頼区間:-0.12~0.19)、10日後では同群間差0.01(同:-0.13~0.15)と、いずれも有意差はなかった。ただし、治療開始7日後の評価では、アモキシシリン群で改善幅が有意に大きく、群間差は0.19(同:0.024~0.35)だった。
症状が改善したと答えた人の割合も、治療開始3日後がアモキシシリン群37%、プラセボ群34%(p=0.67)、同10日後がそれぞれ78%、80%(p=0.71)と、いずれの時点でも両群は同等だった。一方、治療開始7日後では、アモキシシリン群74%に対しプラセボ群が56%と、アモキシシリン群で有意に高率だった(p=0.02)。
その他副次アウトカムについて、両群の差は認められなかった。重篤な有害事象は発生がなかった。
(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)
前回は、急性の中耳炎を取り上げてみました。今回は、つながりがある鼻副鼻腔炎を取り上げたいと思います。これも子供と大人で使用できる薬剤が異なりますので、分けて解説していきたいと思います。
[PDF] アモキシシリン水和物 小児感染症に対する最大投与量の変更
薬剤耐性を考慮して、急性鼻副鼻腔炎に対する抗菌薬は、AMPC あるいは CVA/AMPC を第一選択とし、
実臨床における治療指針として、治療アルゴリズム (図3) を示す。
※日本鼻科学会「急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン2010年版」にもとづく
以下の抗菌薬投与を検討することを推奨する。 アモキシシリン水和物内服5〜7日間
※ 重症度は表1.急性鼻副鼻腔炎スコアリングシステムと重症度分類を参照.
急性鼻副鼻腔炎とは、「急性に発症し、発症から4週間以内の鼻副鼻腔の感染症で、鼻閉、鼻漏、後鼻漏、咳嗽といった呼吸器症状を呈し、頭痛、頬部痛、顔面圧迫感などを伴う疾患」と定義される疾患です。子供の病気というイメージは少ないかもしれませんが、意外に疾患件数は少なくありません。
・中等症~重症の場合のみサワシリン1回250mg~500mg 1日3回
(日本鼻科学会編:急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン.日本鼻科学会誌2010;49(2):143-247より作成)
日本鼻科学会編:急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン.日本鼻科学会誌49(2):143-247,2010
菌力を発揮するためにはアモキシシリンの量を増やしたいのですが,クラ.
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック後ではより的確な急性細菌性鼻副鼻腔炎の診断
(10-day mark,double sickening) が大切となる.「急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン 2010年追補版」
に準じ、鼻漏、不機嫌・湿性咳嗽 (小児)、顔面/頭頚部痛・圧迫感 (成人)の臨床症状、鼻汁・後鼻漏の
鼻腔所見により急性鼻副鼻腔炎を診断するとともに、重症度を分類することが推奨される (表1)。
アモキシシリン1,500mg/日を10日間投与、3、7、10、28日時点のアウトカムを評価 ..
※日本鼻科学会「急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン2010年版」にもとづく
を認める場合があることから、鼻汁と後鼻漏のどちらか量の多い方を鼻腔所見とした。 ..
プライマリ・ケアを対象としたACP/CDCの指針では、急性細菌性鼻副鼻腔炎の診断と抗菌薬治療の
適応は、10日以上症状が持続する (10-day mark) 場合や重複例、ウイルス性疾患の軽快後に再度悪化
した場合に限定されています。一方、経過観察中に症状が増悪する (double sickening) 場合 (図2)
には、10日を待たずに急性細菌性鼻副鼻腔炎と判断し、抗菌薬の適正使用に基づく治療を行うことが
推奨されています。
アモキシシリンの小児に対する常用量は、20~40mg/kg/日を 3~4 回分服。基本は
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