糖尿病、腎臓病、肝臓病、悪性の腫瘍などの症状の一つとしてかゆみや湿疹が起こる ..


手足口病は、学校で予防すべき伝染病1~3種に含まれていない。主症状から回復した後もウイルスは長期にわたって排泄されることがあるので、急性期のみ登校登園停止を行って、学校・幼稚園・保育園などでの流行阻止をねらっても、効果はあまり期待ができない。本疾患の大部分は軽症疾患であり、集団としての問題は少ないため、発疹だけの患児に長期の欠席を強いる必要はなく、また現実的ではない。通常の流行状況での登校登園の問題については、流行阻止の目的というよりも患者本人の症状や状態によって判断すればよいと考えられる。


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読んで字の如く手や足、口の中に発疹、水疱ができる疾患です。罹患年齢は2歳以下が大半で4歳位までの幼児を中心に感染し、夏以外に秋から冬にかけて流行する年もあります1)。主な原因ウイルスは、コクサッキーウイルスA16、A6、エンテロウイルス71などです。発疹は、肘、膝、臀部に出ることもありますが、痒みや痛みはほとんどありません。一方、口腔内や舌の水疱は小潰瘍ができることもあり、痛みます。発熱する場合もありますが、これらの症状が全部出現するわけではなく、同じウイルス型に感染した患者さん同士でも症状には個人差があります。例えば、手足だけ、あるいは口腔内だけに発疹が出るなど、兄弟でも症状が違うこともあります。多くの場合、症状は1週間程度で消失します。

症状は、咽頭の口蓋弓に赤い発疹ができ水疱となります。水疱はすぐに破れて潰瘍になり、咽頭痛を伴います。咽頭の水疱、咽頭痛の他、発熱する場合もあります。感染者は1歳位が一番多く5歳以下がほとんどで、夏以外ではあまり流行がみられない病気です1)。原因ウイルスは、コクサッキーウイルスA群が主で、その他にB群やエコーウイルスとされ、エンテロウイルスの広いグループで起きます。
手足口病とは、口腔内の発疹部の場所で鑑別します(図)。口腔内の前の方、唇や舌のあたりに発疹ができていれば手足口病、喉の奥の方にできていればヘルパンギーナと診断します。ただ時々、喉にも、手の平にも発疹があるという両方の所見を持つ患者さんがいますが、これはどちらもエンテロウイルスが原因のためと考えられます。

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手足口病は5類感染症定点把握疾患に定められており、全国約3,000カ所の小児科定点より毎週報告がなされている。報告のための基準は以下の通りとなっている。

治療は対症療法が中心になります。一般的に解熱剤は、熱が38.5℃以上あり、ぐったりしている場合、また母乳や水分が取れない場合に脱水症状を進行させないために使います。抗菌薬は高熱が続き、細菌による二次感染が疑われる場合のみ投与します。
手足口病の皮膚の発疹には、基本的に外用薬は使いません。水疱瘡の場合は、水疱ができるとカチリ(フェノール・亜鉛華リニメント)を塗ることがあります。これは水疱瘡の発疹は皮膚の少し深いところにできるため、早く乾かしてかさぶたにするために塗布します。手足口病の発疹は、痒みや痛みもなく比較的皮膚の浅いところにできるため、外用薬は必要としません。もともとアトピー性皮膚炎や、湿疹の痒みがある場合には抗ヒスタミン剤を使うことがあります。水疱瘡と手足口病の流行時期が重なって区別が難しい時には、数日様子をみて発疹の数や分布、その後の変化をみて鑑別します。
手足口病とヘルパンギーナにみられる口腔内の発疹にも基本的には外用薬は使いません。痛みが強い場合のみトリアムシノロンアセトニドやデキサメタゾンを使います。ただし、ステロイドを使いすぎるとかえって治りにくくなることがあるので注意が必要です。
プール熱による結膜炎も抗菌薬の点眼薬は効果がありません。炎症がひどい場合には、眼科を受診してもらうようにしています。

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特異的な治療法はない。抗生剤の投与は意味がなく、合併症を生じた場合の特異的な治療法は確立されていない。発疹にかゆみなどを伴うことは稀であり、抗ヒスタミン剤の塗布を行うことはあるが、通常は外用薬として副腎皮質ステロイド剤は用いない。口腔内病変に対しては、刺激にならないよう柔らかめで薄味の食べ物を勧めるが、何よりも水分不足にならないようにすることが最も重要である。経口補液などで水分を少量頻回に与えるよう努める。ときには経静脈的補液も必要となる。発熱に対しては通常解熱剤なしで経過観察が可能である。しかし、元気がない、頭痛、嘔吐、高熱、2日以上続く発熱などの場合には髄膜炎、脳炎などへの進展を注意する。 ステイロイドの多用が症状を悪化させることが示唆されている。 予防としては有症状中の接触予防策および飛まつ予防策が重要であり、特に手洗いの励行などは重要である。患者あるいは回復者に対しても、特に排便後の手洗いを徹底させる。 なお、重症例が多く報告されている台湾および中国を中心としたアジア諸国では、実用化を目指したEV71(手足口病)ワクチン開発が進められている。

通常は臨床的になされることが多く、水疱性発疹の性状、分布が重要であり、季節や周囲での流行状況などが参考となる。鑑別診断としては、口腔内水疱についてはヘルパンギーナ、ヘルペスウイルスによる歯肉口内炎、アフタ性口内炎などが挙げられる。手足の発疹に関しては、水痘の初期疹、ストロフルス、伝染性軟疣腫(水いぼ)などが鑑別の対象となる。

さらに手足の末端ではぶつけて外傷を負いやすい、日常さまざまな作業で ..

プール熱と診断された場合は、主な症状がなくなった後2日を経過するまで、登校・登園の停止が学校保健安全法で規定されています。ただし、検査キットでアデノウイルスを確認しても目の症状がなければ、病名はアデノウイルスによる咽頭炎となります。同じウイルスですからプール熱と同じく欠席するのが良いはずですが、咽頭炎の場合は規定がないのが現状です。一方で、手足口病とヘルパンギーナは、登校・登園の制限がありません。この2つの病気は、不顕性感染者も多く、登校・登園制限が効果的とは言えないため、本人の症状に応じて登校・登園することも可能です。
プール熱、手足口病、ヘルパンギーナは、毎年、流行が始まる時期が違うため、今年の流行についても、まだ予想できません(2017年5月上旬時点)。都道府県や国立感染症研究所では、流行状況を調査していますが、地域ごとに状況は違うため、私はクリニックがある調布市内の流行状況についての情報交換を大事にしています。これらの夏かぜは対症療法が中心で、さらに症状には個人差がありますので、薬剤師の方々には患者さん個々の症状に応じた服薬指導をお願いしたいです。症状が改善したからといってすぐに服用を止めるのではなく、決められた期間は服用を続けるよう指導をお願いします。

手足口病とヘルパンギーナを起こすエンテロウイルスは、ポリオウイルス、コクサッキーウイルスA群、コクサッキーウイルスB群、エコーウイルス、その他のエンテロウイルスで構成されるウイルスグループに属するウイルスの総称です。現在、エンテロウイルスを迅速に検出する検査キットはないため、手足口病とヘルパンギーナの診断は、流行状況を参考に症状で診断します。稀に重症化して髄膜炎、脳炎や心筋炎を引き起こす場合があります。


図2.手足口病における水疱性発疹

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局に新卒で入社。
調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」は臨床で役立つ学術情報や求人広告を発信し月間24万PV(2023年6月時点)のアクセスが集まるメディアとして運営中。

薬局薬剤師としては、新規開業、継承に携わった経験、管理薬剤師としての経験を活かし、現在福岡県内でティーダ薬局を運営(管理薬剤師)。

1983年11月 岡山県倉敷市で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都・大阪で14年間、沖縄Iターン特集立ち上げのため沖縄県で4年間暮らし、現在は福岡県民。
二児の父親。

当面の目標は、
「息子の成長スピードに負けないこと」

座右の銘は、
「まくとぅそうけい なんくるないさ」
=「誠実に心をこめて精進していれば、なんとかなる!!」

図 口腔部における手足口病とヘルパンギーナの主な水疱発現部

プール熱の原因の多くはアデノウイルス3型ですが、4、7型や2、11型などの場合もみられます。主な症状は急な発熱や咽頭痛、結膜炎ですが、食欲不振や頭痛、全身倦怠感を伴うこともあります。罹患年齢は5歳以下が約6割を占めます1)。特に7型は重症化し、肺炎や細菌による二次感染を併発しやすいことがあります。アデノウイルスには50種類以上の型があり、様々な型が年間を通して発見され、最近では、秋や冬にもプール熱が流行することもあります。プール熱を引き起こす型の他に、嘔吐・下痢、肺炎、流行性角結膜炎(はやり目)、さらには出血性膀胱炎を起こすものもあります。冬には嘔吐・下痢を引き起こすノロウイルス、ロタウイルスがよく知られていますが、アデノウイルスが原因の場合もあります。はやり目、プール熱のどちらも結膜炎を起こしますが、プール熱による結膜炎は結膜(白目)の炎症で、流行性角結膜炎は角膜(黒目)にも炎症が及ぶという違いがあります。
プール熱は、プールだけでなく一般的なかぜと同様に、くしゃみや咳による飛沫で感染します。また、患者さんの目を拭いたタオルや目をこすった手から接触感染をします。
診断は、症状と検査キットによる迅速検査で行いますが、通常は血清型までは判定しません。アデノウイルスが検出されてもプール熱の典型的な症状である目の症状がなく、発熱、咽頭痛があるという場合は、アデノウイルスによる咽頭炎という診断となる場合もあります。

手足口病の原因ウイルスは複数あるため、

近年のコクサッキーA6による手足口病では、従来のHFMDと発疹の出現部位が異なり、水疱は扁平で臍窩を認め、これまでより大きいこと3)や、手足口病発症後、数週間後に爪脱落が起こる症例(爪甲脱落症)が報告されてい る4)。

感染予防策は流水と石鹸による手洗いです。手足口病のウイルスはアルコール消毒による効果が乏しいため、石鹸で手指に付着したウイルスをしっかり洗い流す必要があります。



主にコクサッキーウイルス、エンテロウイルスが原因となるウイルス感染の病気です。
感染経路は、飛沫感染・接触感染・便の中に排出されたウイルスが口に入って感染する糞口感染です。
4歳頃までの子どもを中心に毎年夏を中心に流行します。年齢は2歳以下が半数を占めますが、学童期に流行することもあります。
大人は抗体を持っていることがほとんどですが、睡眠や栄養不足により、抵抗力が弱くなっている場合は発症することもあります。

RSウイルス感染症、手足口病について

プール熱、手足口病、ヘルパンギーナは、小児が夏期に罹りやすいかぜであるため「夏かぜ」と呼んでいますが、夏期の中でもいつ流行するかは年や地域によって違いがあります。プール熱を起こす原因ウイルスはアデノウイルス、手足口病とヘルパンギーナの原因となるのは、エンテロウイルスと呼ばれるウイルスのグループです。どちらにも数十種類の型があり、それぞれいくつかの型がプール熱、手足口病、ヘルパンギーナを起こします(表)。この3つの夏かぜの原因ウイルスは、毎年、流行の型が違い、さらに複数の種類の型が流行する傾向にあります。小児は原因となるウイルスの抗体を持たないので、数年は罹りやすい状態ですが、罹っていくうちに抗体ができていくため、徐々に罹りにくくなります。

『手足口病』の症状・治療法

通常のCA16およびEV71による手足口では3~5日の潜伏期をおいて、口腔粘膜、手掌、足底や足背などの四肢末端に2~3mmの水疱性発疹が出現する(図2)。時に肘、膝、臀部などにも出現することもある。

手足口病には有効なワクチンはなく、また手足口病の発病を予防できる薬もありません。 治った後でも、比較的長い期間、便などからウイルスが排泄されることがあります。



名前の通り、手足や口の中に水疱性の発疹が出来ますが、実は手足だけではなくお腹や背中、お尻や陰部など…全身に発疹が出来るお子さんもいます。お尻や陰部にまで出来るとびっくりしてしまいますよね!!また中には口の中の発疹の痛みで、食べたり飲んだり出来なくなる子もいます。
発疹が出ると心配になりますが、体の発疹は痒みや痛みがないことが多く、おおよそ1週間程度で自然に消えていきます。
発熱は国立感染症研究所によると、38℃以下の熱で経過することがほとんどとされていますが、当院に受診されるお子さんは38℃以上の高熱が出ている子が多い印象です。
咳や鼻水の風邪症状は出ませんが、風邪と同時に手足口病にかかる子もいます。
「コクサッキーウイルスA6」という名のウイルスが流行した年には、爪が剥れてしまう症例も報告されました(このウイルスは流行しないで欲しいですね😢)

「手足口病?口内炎が痛い。ステロイド系の軟膏の薬効は ..

CA16、EV71、さらにCA6などのエンテロウイルス(A群エンテロウイルス, Enterovirus A)が病因となる。ヒト-ヒト伝播は主として咽頭から排泄されるウイルスによる飛沫感染でおこるが、便中に排泄されたウイルスによる経口感染、水疱内容物からの感染などがありうる。便中へのウイルスの排泄は長期間にわたり、症状が消失した患者も2~4週間にわたり感染源になりうる。腸管で増殖したウイルスがウイルス血症後中枢神経系(特にEV71)に到達する と、中枢神経症状を起こしうる。いちど手足口病を発病すると、その病因ウイルスに対しての免疫は成立するが、他のウイルスによる手足口病を起こすことは免れない。

手足口病・ヘルパンギーナ



まれに髄膜炎、小脳失調症、脳炎などの怖い合併症が起こる場合があります。熱がなかなか下がらない、嘔吐や頭を痛がる、視線が合わないなど心配な症状が出てきた場合は受診しましょう。
また口の中の痛みが強く、水分や食事が全くとれずおしっこが出ない、ぐったりしてきたなど、脱水の症状が心配な際も早めに受診してくださいね。

手足口病・症状と対策

1997年4~6月にマレーシア・サラワクでは手足口病の大流行が見られ、急速な経過で死亡する例が30例以上報告された。1998年2月頃より台湾において手足口病が増加し、5月をピークとする大流行となった。手足口病に関連する髄膜炎、脳炎、急性弛緩性麻痺(acute flaccid paralysis:AFP)などが相次ぎ、EV71が分離され、12月までに台湾全土で死亡が78例と報告された。この時期から、東アジア地域を中心として、多数の死亡例を伴う大規模な手足口病流行が断続的に発生している。近年では中国(2008~2010年、2010年は死亡例905例)やベトナム(2011年)で死亡例が報告されている()。国内においては1997年大阪で、HFMDの発生状況は例年をやや下回る程度であったが、手足口病あるいはEV71感染と関連が濃厚な小児の死亡例が3例報告された。3例ともに急性脳炎と肺水腫が認められた。その後、2000年6~8月に兵庫県で脳炎による死亡例を含むHFMDの流行がみられ、EV71が検出されている2)。