ニスト)を考慮するための、術後せん妄と血中メラトニン濃度の関連性に関する研究、お


術後せん妄は一般的であり、 罹患率や死亡率の上昇と関連している。 多くの症例は予防可能であり、 メラトニンは予防薬として有望である。


それ以外の薬剤としては,メラトニンが注目される. せん妄予防には有効だが,入院期間などには有意差はみ

これまで、抗精神病薬を用いてせん妄を予防したという報告はいくつか見られた。しかし「副作用リスクを無視できない抗精神病薬を、せん妄が起きるかどうか分からない段階で予防のために投与することは考えにくい」(八田氏)。そこで八田氏が着目したのは、メラトニン受容体に作用する不眠症治療薬、ラメルテオン(商品名ロゼレム)だった。

外科の高齢患者は、術後せん妄発症リスクが高い。せん妄の予防には、非薬理学的介入が推奨されるが、せん妄の発症を減少させる確固たるエビデンスを有する薬剤は、今のところない。米国・アリゾナ大学のAshley M. Campbell氏らは、周術期のメラトニンが、外科手術を受けた高齢患者のせん妄発症率を低下させるかについて評価を行った。BMC Geriatrics誌2019年10月16日号の報告。

1990年1月~2017年10月に英語で公表された文献を、PubMed/Medline、Embase、PsycINFO、CINAHLおよびリファレンスより検索した。2人の独立したレビューアーが、タイトルおよびアブストラクトをスクリーニングし、コンセンサス生成とバイアス評価を含む文献全文レビューを行い、データを抽出した。術後入院患者(平均年齢50歳以上)のせん妄を予防するためにメラトニンまたはラメルテオンを使用し、その結果を報告した研究は組み入れ対象とした。固定効果モデルを用いてデータをプールし、フォレストプロットを生成し、せん妄発症率のサマリーオッズ比を算出した。不均一性は、Cochran's Q値およびI値を用いて評価した。

主な結果は以下のとおり。

・335件をスクリーニングし、定性分析に6件、メタ解析に6件(1,155例)の研究を抽出した。
・対象研究の患者平均年齢は、59~84歳の範囲であった。
・介入群には、心臓胸部、整形外科、肝臓の手術の前夜または手術当日から1~9日間、メラトニンまたはラメルテオンを2~8mg/日投与していた。
・せん妄の発症率は、介入群で0~30%、対照群で4~33%であり、メラトニン群で有意な減少が認められた。メタ解析のサマリーエフェクトによるオッズ比は0.63(95%CI:0.46~0.87、Cochran's Q=0.006、=72.1%)であった。
・1つの研究を分析より削除すると、全体のオッズ比が0.310(95%CI:0.19~0.50)に減少し、不均一性も減少した(Cochran's Q=0.798、I=0.000)。

著者らは「対象研究において、周術期のメラトニンは、高齢患者のせん妄の発症率を低下させることが示唆された。最適な投与量は明らかではないが、メラトニンおよびメラトニン受容体アゴニストの潜在的なベネフィットにより、外科手術を受けた高齢患者のせん妄予防に使用するための選択肢となりうる可能性がある」としている。

メラトニン受容体作動薬の時間薬理学的な不眠・せん妄予防効果に関するランダム化比較試験

せん妄はICU患者で人工呼吸期間・ICU滞在期間を延長し、高い死亡割合と関連し医療コストを増やす。ICU患者ではメラトニン分泌が抑制されており、せん妄にはメラトニン分泌が関連していると報告されいている。このためメラトニンを補充することでせん妄が抑制されるという仮説が成り立ち、その可能性が示唆されてきた。しかし、RCTでICU患者にメラトニンを投与することで重症患者のアウトカムを改善するかは検証されていない。
本研究ではICU患者に対して予防的にメラトニンを投与することでICU滞在期間を短縮しアウトカムを改善するという仮説を検証した。

本稿では,メラトニンとメラトニン受容体作動薬である ramelteon の特性とせん妄治療に対するエビデンスの現状と課題について概説する。まず,メラトニンと ramelteonの生理作用についてまとめ,薬理作用の違いについて述べる。次に,メラトニンおよびramelteon が睡眠覚醒リズム障害の改善,抗酸化作用,抗炎症作用などによりせん妄のリスクを低減する可能性について検討する。さらに,メラトニンおよび ramelteon のせん妄予防効果についての臨床試験の結果をまとめ,問題点と未解明な点について述べる。最後に,メラトニン受容体作動薬のせん妄治療における今後の課題を考察する。 臨床精神薬理 26:679-687, 2023 Key words : delirium, melatonin, ramelteon, anti-inflammation, antioxidant

していることを示唆し、せん妄の病因にメラトニン神経伝達の関連があること

この研究では主要項目の結果はnegativeであったが、メラトニン分泌低下患者へのメラトニンの補充というコンセプトは有望な仮説だと考えている。現在主要評価項目をせん妄発症割合とした、メラトニンによるせん妄の予防効果を検証する多施設二重盲検プラセボ対照群RCTであるPro-MEDIC研究が進行中で、2019/3月に終了予定である。この結果をみて、ICU患者へのメラトニン製剤の使用の判断をするつもりである

【Implication】
主要評価項目であるICU滞在期間は4.56 days (2.10-7.07 d) vs 5.86 days (2.97-14.16 d)p = 0.082と有意差はなかったが、多重線形回帰分析では有意差を認めた(P=0.028)。副次評価項目のせん妄発症割合は24.4% (11/45) vs 46.5% (20/43) (p = 0.044; odds ratio, 2.69 [1.09-6.65])、せん妄期間は0.78 vs 1.40 d; p = 0.048、ICU死亡は6.7% (3/45)vs 7.5%(3/43)であった。
この研究ではランダム表の生成方法と運用方法が不明、隠蔽化が未記載、マスキングが確実に行われたか不明、2年間で98人しかスクリーニングされず選択バイアスの可能性、ソフトエンドポイン、群間差が大きくランダム化に失敗している可能性などrisk of biasが高い。主要評価の解析もVIFの報告がなく、過剰適合している可能性があり、結果の信頼性は低いと解釈した。
この研究では主要項目の結果はnegativeであったが、メラトニン分泌低下患者へのメラトニンの補充というコンセプトは有望な仮説だと考えている。現在主要評価項目をせん妄発症割合とした、メラトニンによるせん妄の予防効果を検証する多施設二重盲検プラセボ対照群RCTであるPro-MEDIC研究が進行中で、2019/3月に終了予定である。この結果をみて、ICU患者へのメラトニン製剤の使用の判断をするつもりである。
ROB評価をしつこく行ったが、この研究はpilot研究的位置づけの研究であり、そもそも多くの突っ込みをすること事態にはあまり意義はないかもしれない。むしろ、RCTのしづらい日本においてこのような研究が行われたことに個人的には感銘を受けた。昨年のDESIRE研究に引き続き、日本人研究者からのRCTの報告は若手研究者のモチベーションを上げる材料であり、研究者らには賞賛を送りたい。主要評価項目であるICU滞在期間は4.56 days (2.10-7.07 d) vs 5.86 days (2.97-14.16 d)p = 0.082と有意差はなかったが、多重線形回帰分析では有意差を認めた(P=0.028)。副次評価項目のせん妄発症割合は24.4% (11/45) vs 46.5% (20/43) (p = 0.044; odds ratio, 2.69 [1.09-6.65])、せん妄期間は0.78 vs 1.40 d; p = 0.048、ICU死亡は6.7% (3/45)vs 7.5%(3/43)であった。
この研究ではランダム表の生成方法と運用方法が不明、隠蔽化が未記載、マスキングが確実に行われたか不明、2年間で98人しかスクリーニングされず選択バイアスの可能性、ソフトエンドポインであること、群間差が大きくランダム化に失敗している可能性などrisk of biasが高い。主要評価の解析も過剰適合性、多重共線性の問題がありそうで結果の信頼性は低いと解釈した。過剰適合性の対処としてモデルに組み込む因子を減らし、VIFを報告した上で結論を出したほうが良いと考える。また不十分なマスキングとソフトエンドポイントではRCTといえど結果の信頼性が低い。せっかくのRCTなのでマスキングの評価(マスキングのモニタリング、剤形や重さの統一、どの時点で粉砕するかなど)と実際の退室状況を記述すべきであると思う。
この研究では主要項目の結果はnegativeであったが、メラトニン分泌低下患者へのメラトニンの補充というコンセプトは有望な仮説だと考えている。現在主要評価項目をせん妄発症割合とした、メラトニンによるせん妄の予防効果を検証する多施設二重盲検プラセボ対照群RCTであるPro-MEDIC研究が進行中で、2019/3月に終了予定である。この結果をみて、ICU患者へのメラトニン製剤の使用の判断をするつもりである。
ROB評価をしつこく行ったが、この研究はpilot研究的位置づけの研究であり、そもそも多くの突っ込みをすること事態にはあまり意義はないかもしれない。むしろ、RCTのしづらい日本においてこのような研究が行われたことに個人的には感銘を受けた。昨年のDESIRE研究に引き続き、日本人研究者からのRCTの報告は若手研究者のモチベーションを上げる材料であり、研究者らには賞賛を送りたい。

せん妄予防効果: メラトニン受容体アゴニストのラメルテオン、オレキシン受容体拮抗薬のスポレキサント.


ラメルテオンとは、メラトニン受容体に作用する不眠症治療薬で、近年はせん妄の発症抑制についての有効性も報告されている薬です。
せん妄とは、おもに高齢者に突然発症する精神機能障害で、時間や場所がわからなくなる見当識障害、注意力や思考力の低下、錯乱、幻覚や錯覚、感情の変動や人格の変化など、様々な症状が起こります。せん妄を発症するはっきりした原因はわかっていませんが、入院や手術、がんなどの重症疾患が引き金になることがあります。
なかでも、手術をきっかけに発症する術後せん妄は手術成績や治療成績に影響するだけでなく、看護や介護に携わる人の負担も増大させます。現在、せん妄の治療薬としては、抗精神病薬が用いられていますが、発症抑制に有効性や安全性のエビデンスが確立された薬はないのが現状です。
「ラメルテオン経口投与療法」は、術後せん妄の発症抑制に対するラメルテオンの内服の有効性と安全性について、ラメルテオンを投与する場合と、有効成分を含まない薬を投与する場合との割り付けを無作為に行って検証します。
対象となるのは65歳以上のがん患者で、全身麻酔による手術と術後5日間以上の入院が予定されている患者です。説明後、同意を得られた患者を無作為に振り分け、ラメルテオン(または有効成分を含まない薬)を1日1回1錠(8mg)、術前4~8日前から術後4日目まで、就寝前に内服、あるいは鼻から胃まで管を通して投与します。
本技術により、高齢者の術後せん妄の発症割合が少なくなることが期待されます。