心拍数を測定する」検査をして、横になっているときと体を起こしたあとの血圧 ..


以上の持続可能性という課題やメラトニンの性質を鑑み、われわれの研究グループは、子どもが日常的に長い時間過ごす学校での教室座席に注目しました。学校での教室座席は、大きく窓側、中央、廊下側の3つに分けられます。とりわけ、窓側と廊下側での太陽の受光環境が座席の位置で異なることは、下記の写真をご確認いただいても明らかです。


器の子時計に指示を出し、睡眠や血圧、体温、心拍数、免疫機能、ホルモン分泌、代謝などを制

長期野外キャンプで過ごすことがメラトニン分泌を改善させるとは言え、だれもが参加することは難しく、持続可能な実践ともいえません。そこで、メラトニン(眠りのホルモン)の性質を改めて振り返りました。メラトニンは、光の影響を強く受けます。具体的には、日中に太陽の光を浴びる、その反対に夜は強い光を浴びない、といった昼夜でメリハリのある明暗環境を意識することがメラトニン分泌を改善するポイントとなります。

2018年度では、廊下側と比べ、窓側の座席で過ごす子どもの睡眠状況が良好であったことを学会で発表し、論文として研究成果をまとめています。さらに、2019年度では、「中学生を対象とした場合でも、小学生と同じような効果が得られるのか?」という仮説を検証しており、その内容を学会で発表できるよう、データ分析を行っているところです。どちらも論文として、研究成果の詳しい内容が公表され次第、HPでお知らせをしますので、ご期待ください。

一方、non-REM睡眠は、呼吸や心拍数、体動も少なく、静かな眠りの時期です。 ..

ところが、このメラトニン分泌が夜よりも朝の方が多い子どもが多く、さらに、休日明けの月曜日では、その割合がいっそう増える(Noi and Shikano, 2011)ことも確認されており、大変由々しき事態であると言えます。このような問題に対して、長期野外キャンプでの生活がメラトニン分泌を改善させるとの報告もあり、子どものメラトニン分泌の改善に向けた解決方策を提案する、さらなる研究の発展に期待が寄せられています。

血圧や心拍数の日内変動が広く知られており1),心臓死,心筋梗塞および心電図上の心筋虚血の発生頻度にも日内変動が認められている2).また,健常者における気道径の日内変動が,喘息患者でより顕著であることなど3),呼吸・循環系における日内変動は生理学的にも病理学的にも大変興味深い.これらの日内変動の他にも多くの生体リズムが認められており,それらは温度変化,明暗周期および摂食時刻などの時間的手掛かりが一切ない恒常条件下においてもほぼ24時間の周期を示す.これを概日リズム(サーカディアン・リズム)と呼び,生体内に時計に相当する機構の存在が推測された.種々の研究により,哺乳類では視交叉上核に生体時計が位置することが立証されている4)

メラトニンの分泌が始まり,睡眠・覚醒リズムが整い出してきます.1歳頃 ..

ヒトの生体リズムを反映する信頼性の高い指標に、メラトニンというホルモンがあります。このメラトニンは、睡眠促進ホルモンとも呼ばれており、入眠する前に、その分泌が活発になることで、体温や心拍数が低下し、からだが「休息モード」に入ります。そのため、メラトニンの分泌が夜に多く、朝に少ない状態であれば、生活リズムや睡眠が良好である目安となります。

2017ユーキャン新語・流行語大賞のトップ10に「睡眠負債」という言葉が選ばれました。1時間程度のちょっとの睡眠不足であっても、借金のように「睡眠負債」として目に見えない形で日々積み重なりますよ、というのが言葉の由来です。この睡眠の負債が溜まり続け、やがて債務超過の状態になると、がんや認知症などに陥るリスクが高まる、といったことが最近の調査結果から明らかになってきました。経済協力開発機構(OECD:Organisation for Economic Co-operation and Development)が15歳~64歳を対象に行った調査によると、日本の睡眠時間は韓国とワースト1位・2位を争う状況にあり、両国ともに世界主要国の中で群を抜いて短く、憂慮すべき状況となっています。

しかし、決して、身体の働きが止まっているわけではありませんし、特にREM睡眠の時には、呼吸数や心拍 ..

一方,松果体ホルモンであるメラトニンの血漿濃度は日中(明期)低く,夜間(暗期)高いことが知られている4).松果体は視交叉上核より上頸神経節を介した神経投射を受けている.また,視交叉上核には,網膜より外側膝状体への経路および途中より視蓋・上丘へ分岐する経路(第一次視覚路)とは別に,網膜から視交叉上核に終る網膜視床下部路の入力がある4).これらにより,血中メラトニン濃度は視交叉上核による内因性リズムと光による調節を受けていることが確かめられている.メラトニンには鎮静作用・催眠作用・鎮痛作用・血小板凝集抑制作用・卵巣機能抑制作用・抗高コレステロール血症作用・体温低下作用などが報告されている5).他にも広範囲にわたる検討が行われつつあり,本稿では基礎的研究を中心に心血管系に及ぼすメラトニンの影響について紹介する.

睡眠と覚醒では、自律神経系の活動も変化します。覚醒から睡眠に向かう過程では、交感神経系の活動が低下し、結果として相対的に副交感神経系の活動が優勢になります。自律神経系とは、自動車のアクセルの役割をし、生物が戦ったり逃げたりする(闘争・逃走反応)のに適した状態を作り出す神経系である交感神経系と、ブレーキの役割をし、安静な状態を保つ働きをする副交感神経系の二つの神経系から構成される神経のシステムで、このアクセル役(交感神経系)とブレーキ役(副交感神経系)がバランスをとることで、生物の状態をある一定の範囲内で安定させています。自律神経系は基本的には意志の力では制御できません。制御できないことは、言い換えれば意図的に制御しなくても自動的に制御してくれるということです。自律神経系は意志の力を借りなくても生物の状態を一定に保つ役割を自動的にしてくれている役割を担っていますが、このことから特に生命維持に関わる機能は自律神経系の支配下にあります。心臓の拍動の制御なども自動的に行われていますが、もし、心臓の拍動が意志で制御しなくてはならないとすると、忘れっぽい人などは、心臓を動かすのを忘れて死んでしまうかもしれません。ですので、このような生命維持に関わる機能は自動制御されているというわけです。

睡眠中は、ブレーキの役割を果たす副交感神経系の働きが相対的に優性になり、言わば、睡眠中は、大雑把な言い方をすれば身体の状態は「休んでいる」状態に近くなります。しかし、決して、身体の働きが止まっているわけではありませんし、特にREM睡眠の時には、呼吸数や心拍数は上昇し、交感神経系の働きが一時的に優性になります。しかも、単に交感神経系が優位な状態というのではなく、呼吸数や心拍数は上昇や下降を繰り返し、不安定な状態となります。REM睡眠中に生じるこのような自律神経系の状態を「自律神経系の嵐」と呼ぶことがあります。

また、睡眠中には比較的大量の汗をかきますが、その発汗は、睡眠の前半に出現する深睡眠(徐波睡眠、睡眠段階3+4)と一致しています。この深睡眠と一致して現れる発汗は、発汗中枢を抑制している大脳皮質の働きが、深睡眠中に一時的に弱くなるためと考えられています。

睡眠中には、様々なホルモンが分泌の状態を変化させます。例えば、脳の松果体という場所から分泌されるメラトニンというホルモンは、明確な24時間の分泌リズムを示し、日中の分泌量は少なく、夜間睡眠の前から分泌量が増加し、睡眠中に分泌量がピークを迎え、睡眠の後半に減少していきます。また、成長ホルモンというホルモンは、夜間睡眠の前半の深睡眠と一致して分泌量がピークを示し、睡眠の後半や日中には低値を示します。前者のメラトニンは、睡眠に直結しているというよりも、約24時間のリズム(概日リズム)を示し、生物時計の支配下にあり、一方で、成長ホルモンは、睡眠という状態に依存しています。メラトニンは夜間に徹夜して覚醒を続けても、分泌のパターンは変わりませんが、後者の成長ホルモンは徹夜をしてしまうと夜間のピークは出現しなくなります。

前者のメラトニンのような生物時計の支配下にあるホルモンを「リズム依存性」のホルモンと言い、後者の睡眠をとるかとらないかで分泌のパターンが変化するホルモンを「睡眠依存性」のホルモンと呼びます。前者の他の例としては、ストレスホルモンとも呼ばれるコルチゾールがあげられ、後者の他の例としては、黄体刺激ホルモンであるプロラクチンがあげられます。

このように、夜間の睡眠は、外からはただ同じように眠っているだけのように見えますが、ずっと一様の状態というわけではなく、身体の状態を詳しく見てみると、様々な状態から構成されている複雑な現象だという事が分かります。

次回は、睡眠の背景にある生物リズムについて解説します。


ノンレム睡眠では脳活動が休まり、交感神経の活動も休息して心拍数や呼吸数、血圧が低下します。

その後、睡眠検査(Sleep Test)を行い、睡眠の質、脳波の特徴、体内の酸素濃度を評価します。また、睡眠中の心電図データを使用して、睡眠時の心拍異常を評価することもできます。これは通常、心臓の異常症状と関連しており、さらに心臓専門医の指示に従って心臓の詳細な検査を行います。これには、心臓の機能性を評価するEST(Exercise Stress Test)、高周波超音波(Echocardiogram)、心電図(EKG)などが含まれます。

メラトニンの主要標的領域の1つである視交叉上核(SCN)が、SGA ..

図5からもお分かりのように、REM睡眠は7,8時間の夜間睡眠の間に3回から5回程度繰り返して出現します。その繰り返しは、約90分の周期を持っている事が知られています。この約90分の周期のことを睡眠周期(Sleep Cycle)と呼びます。しかし、この90分の周期というのは、時計のように正確という訳ではなく、60分程度から120分程度までの範囲で変動し、これらの平均をとると約90分であるという事です。図5はDement & Kleitman (1957)の図を引用(改変)しているものですが、この図はあくまでも典型的な夜間睡眠の経過を表しており、このような規則正しい90分程度の周期性を常に示すというわけではありません。

また、成人の通常の夜間睡眠は図のようにNREM睡眠から始まり、深いNREM睡眠(徐波睡眠)を経たのちに最初のREM睡眠に入るのですが、24時間の周期性(前述の概日リズム.例えば昼行性動物が昼間覚醒し、夜間に睡眠をとるなどのリズム)を明確に示すようになる前の乳児では、REM睡眠(乳児期には筋の抑制が不十分で体動が伴うため、動睡眠(Active Sleep)と呼ばれる)から睡眠が始まることの方が一般的で、24時間の周期が出来るようになると、大人と同じようにNREM睡眠から始まる睡眠へと変化していきます。

さらに、成人であっても、日中に仮眠をとったり、夜に分断された睡眠をとったりなど、通常とは異なる睡眠パターンをとった場合には、睡眠がREM睡眠から開始する場合もそれほど珍しくはありません。REM睡眠が覚醒に続いてすぐに出現することを入眠時REM睡眠と呼びますが、この時にいわゆる「金縛り体験」が生じる事が分かっています。(金縛り体験については、睡眠研究所のWebsiteの「睡眠と心理学」の中の説明を参照してください。)

コルチゾールは、朝、起きる直前に多く分泌され、心拍数が増加したり、体温や血圧 ..

睡眠が浅い、または完全にリラックスできない場合、体の修復プロセスが完全には行われません。American Heart Associationによると、不眠症や浅い睡眠は血圧と心拍数の増加、脂肪と糖の増加、様々な炎症反応、心臓機能の低下、血管の劣化を引き起こし、最終的には冠動脈と脳の血管に悪影響を及ぼす可能性があることがわかっています。

[PDF] およびメラトニン分泌に対するハタヨガとオーム瞑想の効

いびきをかく人は、ストレスが多い人、肥満の人に多く見られます。これは睡眠中の一時的な酸素欠乏を引き起こし、心臓と脳に悪影響を与えます。ScienceDirectによると、睡眠時無呼吸や気道閉塞は、正常な睡眠をとる人に比べて心房細動(Atrial Fibrillation)のリスクが5倍高いとされます。この状態は、心室の肥大や心内の血栓形成を引き起こし、脳梗塞の危険性を高めることが示されています。

生理的指標は、起立耐性、心拍数、血圧、呼吸数、肺機能。心理的指標は、IPAT 不安テ

② 疲労回復を早めアンチエイジングを促す
睡眠中のホルモン分泌のパターンも、心身のメンテナンスに深く関わっています*1。図1を見てください。寝入りばなに多く分泌されるのは成長ホルモン。筋肉、骨、内臓、皮膚などのダメージを修復し、疲労回復に導く重要なホルモンです。アンチエイジングホルモンとも言われています。「寝る子は育つ」のみならず、「寝るオトナは若返る」。一方、眠りの前半部分から増えるのがメラトニン。メラトニンには抗酸化作用があり、がんや老化を抑えるはたらきがあります。そして、起床前から日中の活動に備えて増えるのがコルチゾール。睡眠不足はこのようなホルモンの分泌リズムを乱し、心身の不調の原因となります。

狩猟に向かう時には身体能力を最大限に引き出すために交感神経は緊張して心拍数を上げて準備します。 ..

National Library of Medicineによると、過去年間で平均睡眠時間が一人あたり時間短くなり、過去年間で労働日の睡眠時間が分減ったと報告されています。一日時間未満の睡眠は体に悪影響を及ぼすことが分かっており、脳のメラトニンの分泌が減少し、自律神経系が過剰に刺激され、心拍数が上がり、血圧が高くなり、インスリン抵抗性が生じ、最終的に心臓肥大のリスクが高まることが示されています。

体温上昇・心拍数増加・夜間の血中コルチゾール・ACTH濃度増大

③ 免疫力を向上させる
図2は、睡眠時間が短いほど風邪に罹りやすいことを示しています*2。免疫系は多彩な免疫細胞や物質から成り、それぞれが役割分担して複雑なシステムを確立しています。免疫システムの主力として感染やがん細胞に立ち向かうTリンパ球の活動は夜間に活発になります。睡眠前から睡眠期前半にかけて多く分泌されるメラトニンは胸腺に作用してTリンパ球をたくさん作らせるため、十分な睡眠を取れていないと免疫システムも十分な威力を発揮できなくなります。

副交感神経亢進優位に成り、心拍数が低下します。 ページの先頭へ

REM睡眠は睡眠の後半で出現しやすく、徐波睡眠は睡眠の前半に集中して出現するのですが、このパターンの背景にあるメカニズムは、REM睡眠と徐波睡眠では異なっているとされています。REM睡眠は、地球上の生物のほとんどが示す、約24時間の周期のリズム(概日リズム、Circadian Rhythm)を背景として生じているとされ、次の日の午前中も眠りを続けた場合には、午前中にREM睡眠は出現しやすく、さらに日中の午後に眠った場合には、REM睡眠は出現しにくくなります。

徐波睡眠は夜間睡眠の前半で出現しやすく後半で出現しにくくなるというパターンを示すので、こちらも約24時間のリズムによって制御されていると解釈できそうですが、実はそうではなく、徐波睡眠の出現量は、睡眠の前の覚醒時間の長さの関数になっています。つまり、眠る前にどのくらい目覚めの状態でいたのか、その時間が長ければ長いほど、睡眠に入った後に出現する徐波睡眠の量は多くなります(図6)。

眠りが深いか確かめる方法。主観的・客観的な判定で得る理想の睡眠

前回は、眠りの種類、つまり主にREM睡眠とNREM睡眠についてご説明いたしました。では、一晩の眠りの「構成」がどうなっているのかという点について、次にご説明していきたいと思います。図5はヒトの一晩の睡眠の典型的な経過を表した図です。左端の縦軸が示しているのは、前回、説明した睡眠段階です。Wとあるのは覚醒、1,2,3,4はそれぞれ睡眠段階1,2,3,4を指しています。図中の黒い四角形の部分はREM睡眠です。睡眠段階の3と4は、まとめて徐波睡眠(SWS: Slow Wave Sleep)や深睡眠などと呼ばれますが、実際、刺激を与えても中々覚醒しない「深い」睡眠です。この徐波睡眠は主に夜間睡眠の前半に集中して出現し、睡眠の後半、つまり明け方にはあまり出現しません。一方で、REM睡眠は夜間睡眠の前半ではあまり出現せず(1回あたりの持続時間が短い)、夜間睡眠の後半で多く(1回あたりの持続時間が長い)出現します。

深い眠りでは心拍数、呼吸数は安定して少なくなる傾向です。心拍数が多い ..

④ 自律神経のバランスを整える
自律神経には活動モードの「交感神経」と癒やし・回復モードの「副交感神経」があり、交互に上昇、低下を繰り返します。日中は前者が優位、夜間は後者が優位となります。睡眠中は副交感神経が優位で、血圧や心拍数、呼吸数、体温が低下し代謝も低下します。同時に、疲労回復を進め明日の活動のために心身を整えていくのです。
睡眠の時間や質が低下すると、交感神経優位の状態が長くなり、基本的な身体活動に不調を来します。それだけでなく、身体活動機能や思考力、気分も低下し、結果的に本来のパフォーマンスが発揮できなくなってしまいます。

心拍数と体温は低下する傾向がある。ノンレム睡眠は3つのステージ(N1~N3)に ..

就寝前に、携帯電話やパソコンの光を見る事も、眠りを妨げる原因になります。携帯電話やパソコンから出るブルーライトには、眼精疲労を招くと同時に体内時計を狂わせ、眠りに入るのを妨げてしまう覚醒効果があります。そのため、目が冴えて、眠れなくなってしまうのです。
睡眠中は、レム睡眠とノンレム睡眠という二つのタイプの睡眠を繰り返していますが、ブルーライトに当たると、睡眠の中で最も大切なノンレム睡眠の質を下げてしまうことに繋がります。