[3] 武藤教志,メンタルステータスイグザミネーション2.精神看護出版.2018


うつ病では様々な意欲が低下します。そのため、抗うつ薬の開始後や増量後に生じて、減量や中止後に改善する性欲低下が抗うつ薬の副作用による性機能障害とします。


ストール精神薬理学エセンシャルズ 神経科学的基礎と応用 第4版

SSRIはモノアミン系(セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミン)のうちセロトニンを主に増やす作用を持ちますが、他の抗うつ薬は別の神経伝達物質も増やしてくれます。SNRIや四環系抗うつ薬はセロトニンとノルアドレナリンを増やしてくれますし、NaSSAはセロトニンとノルアドレナリンとドパミンを増やします。

パキシルは、抗うつ剤の中でもジェイゾロフトに次いで性機能障害が多く、7~8割の方にみられます。

抗うつ薬の副作用として生じた性機能障害(AASD)にも、クエン酸シルディナフィル(商品名:バイアグラ)が有効であることがわかった。

パキシルの性機能障害では、性欲低下・勃起障害・オーガズム障害がみられることが多いです。

パキシルは性機能障害の副作用が多い薬ですが、薬を中止しても改善しない時は、後遺症というわけではありません。他の原因を考えていくようにしましょう。

SSRIなどの抗うつ薬が性欲低下・性機能障害を引き起こすって本当?

ホルモンが影響することもあります。上で述べたように、プロラクチンが高いと性機能障害につながります。男性ホルモンのテストステロン、女性ホルモンのエストロゲンが低下していると、性機能低下がみられます。また、甲状腺ホルモンが減るとプロラクチンが増えてしまいますので、これも性機能障害の原因となります。

それ以外にも、パートナーとの人間関係も上手くいかなくなることがあります。性の問題はなかなかパートナー間でもオープンにできないことも多いので、お互いが気を遣ってしまいます。その他、生活上のことから、心理的なこと、体調のことなど、いろいろな原因で性機能障害は認められます。睡眠も性機能と密接に関係しているといわれています。ですから、睡眠状態が安定していることも重要です。

オトコも気になる女性の性機能障害(1) | ヨミドクター(読売新聞)

モノアミン系の神経伝達物質のうち、セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンは精神疾患に関わる重要な神経伝達物質と呼ばれており、これらの神経伝達物質のはたらきが障害されることで、精神疾患を発症すると考えられています。

◆ 元住吉こころみクリニック ◆
2017年4月より、川崎市の元住吉にて元住吉こころみクリニックを開院しました。内科医3名、精神科医4名で協力して診療をしています。所属医師で協力して、記事を書いています。


レクサプロは、うつ病・うつ状態、社会不安障害に保険適応されているお薬です。 3.レクサプロの作用メカニズム

脳内にある神経同士が情報を交換するときに使われる物質を、神経伝達物質と呼び、用途に合わせて、様々な神経伝達物質が存在します。その中でモノアミンと呼ばれるアミノ酸から作られる神経伝達物質をモノアミン系と呼びます。

うつ剤、とくにSSRIのパキシルやジェイゾロフトでは、性欲低下・勃起(興奮)障害・オーガズム障害 ..

NaSSA(リフレックス/レメロン)も性機能障害の副作用が少ないです。ですが、SSRIと比べると眠気や体重増加といった副作用が強く、デメリットもしっかりと考慮しなければいけません。

うつ病の女性は性行為への興味を失う?原因と接し方のポイントを解説

うつ病は脳内のモノアミン系と呼ばれる神経伝達物質が減ることで起こると考えられています。抗うつ薬は、この減ったモノアミン系を増やす作用を持つため、うつ病が改善する仕組みになっています。そしてモノアミン系の中でもセロトニンを増やしてくれる薬をSSRIと呼んでいます。

レクサプロ錠10mgの基本情報(薬効分類・副作用・添付文書など)

ツイッターやブログではレクサプロを服用されている方が多くつぶやいています。効果があった方もない方もつぶやいていますので、やはり効果には個人差があるようです。

師と十分に相談してください。 【この薬の使い方は?】 ○使用量および回数

SSRIの中では、ルボックス/デプロメールやレクサプロは選択肢に入ります。性欲低下や勃起障害がみられる方ではレクサプロ、オーガズム障害がみられる方はルボックス/デプロメールがよいと思われます。

エスシタロプラム)の効果や副作用について | 水戸メンタルクリニック

以上の方法が取れない時は、性機能障害が少ない抗うつ剤に切り替えていくことで改善を目指します。実際に薬を切り替えることでよくなる方はいらっしゃいます。

精神科治療薬の副作用:予防・早期発見・治療ガイドライン

精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医/日本精神神経学会rTMS実施者講習会修了

<特集>気づきにくい向精神薬の副作用

精神保健指定医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/認知症サポート医/コンサータ登録医/日本精神神経学会rTMS実施者講習会修了

性欲低下、射精障害、勃起障害などが生じることがあります。

勃起障害の方には、ED治療薬も有効といわれています。バイアグラ、シアリス、レビトラといった薬です。様々な研究をまとめた報告(メタアナリシス)では、「抗うつ剤に対する男性の勃起障害に有効」としています。本当に困っている方には、処方も検討します。女性に対しては、日本では発売されていないブプロピオンという抗うつ剤が有効と考えられています。

*精神神経系症状

じゃあ沢山増やしてくれる抗うつ薬の方がいいのではないかと言われるとそうではありません。モノアミン系が減ることで、様々な精神症状を引き起こしますが、増えることで生じる副作用もあるのです。

*精神神経系症状

※1 不安・焦燥・興奮・錯乱・幻覚・反射亢進・ミオクロヌス※4・発汗・戦慄・頻脈・振戦・血圧上昇等があらわれる。
※2 痙攣・意識の低下・頭痛(頻度不明、海外での頻度:0.01%未満)
※3 肝臓の重い症状:だるい・食欲不振・吐き気・発熱・発疹・かゆみ・皮膚や白目が黄色くなる・尿が茶褐色。
※4 突然生じる筋肉のピクッとした収縮

SSRIによる性機能障害の副作用は主に

抗うつ剤の中でもセロトニン2A受容体をブロックするものは、性機能障害が少ないです。ですから、リフレックス/レメロン・テトラミド・レスリン/デジレルといった鎮静系抗うつ薬を追加すると、まれに改善することがあります。この方法は、追加することで他にもメリットがある時に検討します。例えば、睡眠が不安定な場合には、これらの薬は眠りが深くなるので有用です。デジレル/レスリンでは、まれにみられる副作用として持続性勃起障害があります。勃起障害の方には、意識的に使ってみてもよいかもしれません。

抗うつ剤による性機能障害は、です。

痙攣・セロトニン症候群※1・抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)※2・QT延長・心室頻拍(torsades depointes含む)・倦怠感・異常感・発疹・湿疹・悪寒・頭痛・傾眠・浮動性めまい・あくび・睡眠障害(不眠)・異常夢(悪夢含む)・アカシジア・悪心・口渇(口の渇き)・味覚障害・腹部不快感・下痢・動悸・精神運動不穏・RBC・Ht・Hb減少・肝障害(肝機能異常)※3・排尿困難(尿が出にくい)・頻尿・耳鳴り・多汗症・回転性めまい・血小板増加、血小板減少など

専門医のための臨床精神神経薬理学テキスト


医療法人社団こころみは、東京・神奈川でクリニックを運営しています。
「家族や友達を紹介できる医療」を大切にし、社会課題の解決を意識した事業展開をしています。

性機能障害に対する感じ方は人それぞれです。


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抗うつ薬の種類によって、性機能障害のリスクは異なります。

治療期間は、個人差もございますが、1ヶ月半~6ヶ月で副作用もほとんどなく、リラックスして受けられる治療です。うつ病で苦しんでいた方が短期間で改善する可能性が高い治療で、品川メンタルクリニックでは、約8割の人が軽症化している実績があります。「抗うつ薬が効かない」「薬の副作用がつらい」「薬の離脱症状が不安」といった人に最適な治療法です。また、磁気刺激治療(TMS)は、現在服用中の薬と併用して行うことで、減薬や断薬を可能にします。

抗うつ薬による性機能障害には以下のような症状が含まれます。

お薬の調整後や休止後も性機能障害が改善されないときは、他の原因も考えていきましょう。