伝染性膿痂疹(とびひ)(Impetigo bullosa) – 感染症
「とびひ」の正式名称は「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」といい、細菌を原因とする皮膚の感染症です。うつりやすい膿(うみ)をもった発疹(ほっしん)が特徴です。
伝染性膿痂疹 (とびひ)について | 府中市東府中の小児科・アレルギー科
クラリス(一般名:クラリスロマイシン)とはマクロライド系の抗生物質です。従来のマクロライド系抗生物質であるエリスロマイシンを改良してできたものであり、ニューマクロライドともいわれています。抗生物質の代表といえるのはβラクタム薬(ペニシリン系、セフェム系等)ですが、マクロライド系も肺炎球菌をはじめとするグラム陽性菌、インフルエンザ菌や百日咳菌など一部のグラム陰性菌、嫌気性菌、非定型菌のマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなど多くの細菌に対して効力を発揮します。いろいろな細菌に有効なので、呼吸器系の領域を中心に多くの診療科で処方されています。多くは咽頭炎・肺炎・中耳炎などに対する処方です。消化器領域ではピロリ菌の除菌薬としても数多く処方されています。皮膚科領域においては、感染を伴う、表在性/深在性皮膚感染症、リンパ管/節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肛門周囲膿瘍などの疾患に対して選択されることがあります。
アクロマイシン軟膏の有効成分であるテトラサイクリンは、細菌のたんぱく合成系において、aminoacyl t-RNAがm-RNA・リボゾーム複合物と結合するのを妨げてたんぱく合成を阻止することにより抗菌作用を発揮します。
しかし、動物のリボゾームには作用せず、細菌のリボゾームに特異的に作用することから、選択毒性を有すると考えられています。
小児のとびひの処方箋 | 薬剤師のための皮膚科処方箋 | Medical Tribune
アトピ-性皮膚炎では皮膚のバリア機能が低下していて伝染性膿痂疹(とびひ)が合併しやすくなります。
とびひは、黄色ブドウ球菌でも起こります。黄色ブドウ球菌は、溶連菌と違って、抗菌薬が効きにくい耐性菌が多いです。治りが悪い場合は、黄色ブドウ球菌も考えて、抗菌薬を変更します。
内服薬は抗ヒスタミン剤、ビタミン剤(ビオチン、ビタミンCなど)、漢方薬、抗生剤(ミノサイクリン、クラリスロマイシンなど)が基本となります。
また、アトピー性皮膚炎の患者さまのように、皮膚のバリア機能が低下している場合にも起こりやすいです。とびひの原因は主に、「黄色ブドウ球菌」と「レンサ球菌」という細菌です。
伝染性膿痂疹(とびひ)はおおきく水疱性膿疱疹と痂皮性膿疱疹に分類されます。
症状にあわせて、抗生剤の入った軟膏や飲み薬を使用します。 人にうつるので、家族でのタオルの共有やプールは避ける必要があります。
初期病変は紅斑として始まり、次第に浸出液を伴う紅色丘疹へと変化します。
とびひの水ぶくれ(水疱)やじゅくじゅくした状態(膿痂疹)の中には、バイ菌が入っています。この液がしみ出たり、破れたりして周りの皮膚の傷が付いた部分に触れると新しい水疱や膿痂疹ができます。
伝染性膿痂疹 (とびひ)について
初期段階における皮膚症状はまず直径1-2mm程度の小さな紅斑として出現し、その後急速に特徴的な病変へと変化していきます。
今回は伝染性膿痂疹、俗に言う(とびひ)についての紹介です。
黄色ブドウ球菌の感染によるものです。
0~6歳までの乳幼児に多く夏におこります。
虫刺されや湿疹部などに感染がおこると、大小さまざまな水疱(すいほう)ができ、淡い紅斑を伴います。
水疱はかんたんに破れてびらんとなり、辺縁を縁取るように拡大していきます。
また、最初の水疱から遠く離れたところにも、あらたな病変が生じてどんどん増えていきます。
これが火事の「飛び火」のように起こるのが「とびひ」という言葉の由来です。
軽いかゆみを伴いますが、発熱などの全身症状はありません。湿疹に合併していると強いかゆみがあります。
とびひ・伝染性膿痂疹における主要な症状を病型
夏場は虫刺され、あせも、湿疹などの皮膚炎、野外活動での擦り傷などが多くなる時期です。
皮膚炎では子供はかゆみを我慢できずに皮膚をかきむしり、皮膚のバリア機能を壊してしまいます。
また、高い気温と湿度は伝染性膿痂疹(とびひ)の原因となる黄色ブドウ球菌の増殖に都合がよい環境をつくりだします。
増えた黄色ブドウ球菌は皮膚のバリア機能が低下した部位から容易に侵入して伝染性膿痂疹(とびひ)をおこします。
現在は暖房器具や温水プールの普及で冬季にもみられます。
とびひ・伝染性膿痂疹の原因菌
症状が軽く、あまり全身に広がっていない時は、抗菌薬の入った塗り薬を使用します。とびひが全身に広がっている場合は、塗り薬に加えて抗生剤の内服を5〜7日間ほど行います。治療を開始してまず2〜3日目に、治療が適切であるかの効果判定を行います。改善が悪い場合は皮膚の細菌培養の検査をして抗生剤の変更を行います。
とびひ・伝染性膿痂疹の感染リスクを高める要因
クラリスに最も特徴的なのは、一般的な抗生物質が効かないマイコプラズマやクラミジア、マイコバクテリウムなどの非定型細菌にも有効であることです。マイコプラズマは肺炎を引き起こすことで有名ですが、皮膚に感染して皮膚に治りにくい傷を作る原因になることもあります。またクラミジアは性感染症の原因となり、外陰部に痛みや痒みを引き起こします。マイコバクテリウムは皮膚の下で膿を作り、ジクジクとした傷を引き起こす原因菌です。これらはどれも稀な病気で抗生物質が効きにくいのが特徴ですが、クラリスは比較的よく効きます。またクラリスが改良される前の薬であるエリスロマイシンには胃酸によって効力が落ちるという弱点がありましたが、クラリスは胃酸の影響をほとんど受けません。体内にしっかりと吸収されるため、1日2回の服用で十分な治療効果が得られます。その他の特徴として、クラリスはアレルギーを起こしにくいとされています。βラクタム系の抗生物質に対してアレルギーがある人でも使用可能です。ただし他の薬と相互作用を起こしやすいので、飲み合わせには注意が必要です。
わかる先生、教えて下さい。今の症状は鼻水と咳、とびひです。
一般的な感染症に対してはクラリスロマイシン1日400mg、非結核性抗酸菌症には1日800mg、どちらも2回に分けて経口で投与します。投与量は年齢、症状にあわせて増減します。またピロリ菌の除菌に用いる場合は他の抗生物質や胃薬と併用して処方されます。
とびひ・伝染性膿痂疹の補助的な検査
主にA群β溶血性レンサ球菌(化膿レンサ球菌)によっておこります。
年齢や季節に関係なく発症します。
最初は顔面や手などで局所の小水疱や膿疱として始まり、次に小水疱や膿疱から漏れ出た滲出液(じくじくした液)が厚い黄色痂皮(かひ)(かさぶた)へと変わっていきます。
その後局所に多発したり、からだ全身に広がっていきます。
炎症の症状が強く、発熱・のどの痛み・リンパ節の腫脹などの全身症状を伴います。
治療がうまくいっていないアトピー性皮膚炎のお子様におこりやすいです。
とびひの方ではこれらの菌が多く増殖している状態です。
溶連菌が皮膚に感染すると、伝染性膿痂疹(とびひ)になります。最初は周囲の赤みを伴う水ぶくれで、水ぶくれがにごった膿となり、厚いかさぶたでおおわれます。溶連菌は、虫刺されや引っかき傷から入り込みます。感染した場所をかきむしると、どんどん感染が広がっていくことから、「とびひ」とも呼ばれます。汗をかいて肌が荒れやすい夏に流行します。
とびひの患者さんのします。
この記事では、とびひ・伝染性膿痂疹について詳しく解説していきましょう。
とびひの患者さんのととびひになる可能性があります。
とびひの原因菌である「黄色ブドウ球菌」や「レンサ球菌」が原因となって、他の病気を発症することがまれにあります。
風邪症状ととびひ時の薬の飲み合わせについて。
クリニックで治療しているに、伝染性膿痂疹(とびひ)が治らない、または悪化している場合はMRSA(Methicillin‐Resistant Staphylococcus Aureus:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)が原因菌となっていることが考えられます。
MRSAとは、黄色ブドウ球菌のなかで耐性遺伝子をもち、メチシリンという種類の抗生物質をはじめ、多くの抗生物質に耐性を持つ(薬が効かないもしくは効きにくくなる状態)菌です。
皮膚科では、初診時にMRSAによる伝染性膿痂疹(とびひ)も念頭にいれて細菌培養検査をおこなうことにしています。
伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん・とびひ)
そして、触っただけで皮膚がはがれてしまい、非常に痛がります。多くは入院して治療が必要です。とびひの治療を適切に行い、薬で菌をしっかりと退治しておくことで予防することができます。
とびひの治療。家庭でできるケアについて
アクロマイシン軟膏(一般名:テトラサイクリン塩酸塩)は、ブドウ球菌や連鎖球菌、大腸菌などに抗菌力を発揮する外用抗菌薬で、細菌のたんぱく合成を阻止して抗菌作用を発揮します。
通常は、皮膚感染症や膿皮症、やけどや外傷の二次感染などに用いられます。
なお、「アクロマイシン(Achromycin)」という名称は、アクロマイシンより先に発見されたオーレオマイシン(Aureomycin)の色(黄金色)より色が薄いことから、「A:打ち消し・否定の語意+chro:chromaic色の+mycin:抗生物質」=「Achromycin」ということで付けられました。
とびひ(伝染性膿痂疹)
2010年に日本医科大学卒業後、名古屋大学医学部皮膚科入局。同大学大学院博士課程修了後、アメリカノースウェスタン大学にて、ポストマスターフェローとして臨床研究に従事。帰国後、同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンターにて、糖化と肌について研究を行う。専門は一般皮膚科、アレルギー、抗加齢、美容皮膚科。雑誌を中心にメディアにも多数出演。著書に『皮膚科医が実践している 極上肌のつくり方』(彩図社)など。