・糖尿病合併、非合併にかかわらず SGLT2阻害薬投与後にeGFRの低下(eGFR initial dip ..
、高血圧や糖尿病では低下スピードが速くなります。疾患コントロールが悪い場合や、喫煙習慣や高脂血症が併存すれば、さらに低下スピードが速くなり、腎機能が廃絶となれば、透析導入となります。
にinitial dipと呼ばれるeGFR値の低下を経験します。 おわりに
腎機能の指標であるeGFR(mL/min/1.73m2)は、絶対的な値ではなく、普段から変動しています。そのため、短期間(1~2年間程度)のeGFRの観察では観察期間のeGFR低下量がeGFR変動幅に埋もれ、腎予後不良症例を見逃しやすくなります。得られるすべてのeGFRの長期推移が一括表示できれば、中長期的な未来の透析導入リスクをより評価できる事になるでしょう。
腎臓病と診断されたら、将来の透析導入を可能な限り回避する、あるいは合併しやすい心臓病や脳卒中のリスクを最小化するため、原因となりうる全ての要因を改善する必要があります。
SGLT2阻害薬はどうやって効くの? □ イニシャルディップは腎保護・心保護効果の表れ
クリニックで診療可能な糖尿病由来の“糖尿病性腎症” 高血圧由来の“腎硬化症” として経過が合うか?が重要です。
経過が合わなければ専門施設※に紹介となります。
また、急速進行性糸球体腎炎合併やネフローゼ症候群発症への注視が必要です。
[O-023] 慢性腎臓病に対する SGLT2阻害薬による Initial dipの評価
蛋白尿は、腎機能廃絶と透析導入に強力に関連しますので、定期的な尿蛋白定量検査とその軽減を目指す必要があります。具体的な目標として・・・
腎臓病が進行して腎臓の働きが低下した状態を腎不全といい、回復する場合がある急性腎不全と回復する見込みのない慢性腎不全に大別されます。維持透析や腎移植に至ることもあります。
(CREDENCE 試験:カナグリフロジン開始 3 週-3.72mL/min/1.73m2,DAPA-CKD
慢性腎臓病における治療剤=SGLT2阻害剤には腎障害進展抑止作用が示されることから、適応を限定すれば積極的使用が推奨される。
:男性より女性に多く、また糖尿病患者は易感染傾向にある。いつでも発症する恐れがあり、早期発見・治療が重要。予防にはこまめな水分補給や陰部を清潔に保つことが有効。
[PDF] 診療情報を利用した臨床研究について 虎の門病院腎センター内科では
副作用はどの疾患の場合も起こり得ますが、疾患ごとの頻度や重要度から、初回に重点的に指導すること、テレフォンフォローアップでの確認事項、長期服用時の注意点など判断し、効果的に指導しましょう。
※日本腎臓病薬物療法学会「SGLT2阻害薬患者指導箋(JSNP版)」を活用しましょう。(以下一部要約)
[PDF] 腎臓内科医からみたeGFRの評価とSGLT-2阻害薬
特に、ロキソニンやボルタレンなどの鎮痛剤は可能な限り服用を避けて下さい。
心臓病患者さんでは、降圧剤(ACEi/ARB)+利尿剤(MRA)は重要な薬剤として特に頻繁に処方されますが、その都度の全身状態により、調節が必要です。
SGLT2阻害薬には、フォシーガ(ダパグリフロジン)・ジャディアンス ..
ただし、“initial drop”と呼ばれ、SGLT2阻害薬の内服開始間もない期間は腎臓の機能が一時的に低下することが知られており、それを理由に即座に中止してしまうのはもったいない為、処方医は長期的視野で継続・中止の可否を慎重に決定する必要があります。
フォシーガ R)に大きく水をあけられている(いいものをつくっても ..
○eGFR値の過度な低下がないか確認し、また不安から自己判断で服薬中止しないようフォローアップを。
点で,売り上げはエンパグリフロジン(ジャディアンスR),ダパグリフロ
したがって、となりますが、逆に筋肉量が少ないご高齢の患者さんではますます”やせ”を助長させてしまう可能性があり適応を慎重に考慮する必要があります。
ちなみにDAPA-HF試験でもinitial dip後のeGFR slopeは,ダパ
登場し始めの頃に懸念されていた程多くはない印象ですが、高齢の女性の方や尿路結石・膀胱炎の既往があるような尿路感染のリスクがある患者さんでは投与は慎重にあるべきだと思います。
SGLT2阻害薬 | 平田の薬剤師塾 ~薬のことを分かりやすく丁寧に~
糖尿病合併の有無を問わず、SGLT2阻害薬投与後に「initial dip(イニシャルディップ)」と呼ばれるが見られることがあります。日本腎臓学会の「CKD治療におけるSGLT2阻害薬の適正使用に関するrecommendation」でも、服用開始2週間~2カ月程度の早期にeGFRを評価し、値が維持されているかの確認を求めています。※eGFRが15mL/分/1.73m2未満での新規開始は推奨されていません。
[PDF] フォシーガ錠 5 mg、同錠 10 mg に関する資料
2003年東北大学医学部卒業。Medical college of Wisconsin留学後,東北大学大学院修了。石巻赤十字病院を経て,2018年より東北大学,2019年より現職。
Initial Combination Therapy with Metformin XR
さて,SGLT2(sodium glucose co-transporter 2)の有効成分のもとになるフロリジンは,1835年にリンゴの樹皮から発見されている2)。さらに1886年には,尿糖を出すことが確認されている3)。このように,生理学的な実験で腎臓からの糖吸収を抑えることが示されていた。ただしフロリジンは非選択性であり,腸管に多く発現するSGLT1まで抑え下痢を起こすため,投与が難しかったようである。また,腸管でβグルコシダーゼにより分解され,経口投与ができないという問題があった4)。
「フォシーガ」、CKDの適応追加 国内初、糖尿病合併の有無問わず
〇慢性心不全、CKDでは効果を実感しにくいため、服薬の必要性を理解してもらいましょう。
早目に医療機関へ相談しましょう。
1994年に金井好克先生が,米国ハーバード大学留学中に腎SGLT2のDNAを同定5)した。また,SGLT2遺伝子変異が家族性腎性糖尿に認められたことなどから6),家族性腎性糖尿は臨床的な意義が少なく,尿に糖が出ていても臨床上問題が少ないため,安全性が高いと予想され開発が進んでいった様子である。さらに糖尿病患者では,SGLT2の活性が上昇しているなどの知見が集積していた。ただし,薬剤として開発するには,下痢の副作用と経口投与が難しいなどの問題があった。しかし,田辺三菱製薬がT-1095を開発し,βグルコシダーゼへの抵抗性を生じさせ,腸管での分解を抑えつつ経口吸収が可能となった。また,プロドラッグにしたことにより腸管での糖吸収を抑制させることなく,腎臓での糖再吸収を抑制するという非常に優れたデザインとなった7)8)。このトランスポーターがいかにうまくできているか? は金井先生の総説を読んで頂きたい9)。
120点満点の腎機能とすると、残りどれくらいでしょうか?
このような優れた創薬をもとに発売されたのがカナグリフロジン(カナグルⓇ)であり,田辺三菱製薬のHPには「田辺三菱製薬が創製した世界初の経口SGLT(ナトリウム-グルコース共輸送体)阻害物質T-1095をルーツとする日本発のSGLT2阻害剤です」と記載があるが10),2024年11月時点で,売り上げはエンパグリフロジン(ジャディアンスⓇ),ダパグリフロジン(フォシーガⓇ)に大きく水をあけられている(いいものをつくっても,その後の販売戦略がイマイチだとこのようになってしまうということである)。
長澤 将 (東北大学病院腎臓・高血圧内科講師)
〇診療科、併用薬、血糖値・腎機能などの検査値、患者さまへの聞き取りから、処方目的を考えましょう。
【服用開始後のeGFR低下に注意!】
尿中に糖を排泄し,血糖を下げるというコンセプトから開発された血糖降下薬だが,発売当初は,2014年6月13日に日本糖尿病学会から「糖尿病治療におけるSGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」11)などで脱水や脳梗塞,さらには急性腎障害(acute kidney injury:AKI)のリスクが強調されていた(ちなみに,このレコメンデーションは6回改訂が行われており,上記のトーンは現在はかなり抑えられている)。
東北大学病院腎臓・高血圧内科講師
それまでのランダム化比較試験(randomized controlled trial:RCT)であれば優越性試験が主流であり,新規治療が標準治療(またはプラセボ)よりも治療効果が優れているかを検証するものであった。しかし,非劣性試験では新規治療が基準になる治療よりも治療効果が劣らず,副作用や利便性,コストなどを減少させるかどうかを検証するものであるため,治療効果があると言うことは難しい。たとえRCTであっても効果が劣っていないという意味が,臨床上どれだけ意義があることかはよく考えるべきである。そもそも非劣性試験が適切か? ということを考えながら見るべきである。このあたりに興味がある方は,『日本医事新報』(No.4885)「〈J-CLEAR主催座談会〉非劣性試験の問題点[J-CLEAR通信(85)]」を参照してほしい16)。