ステロイド長期投与患者における手術時のステロイドカバーについて教えてください。 ..
今回は「ステロイド投与中の患者へのステロイドカバーの必要性」に関するQ&Aです。
ステロイドカバー量 強: ・水溶性ハイドロコートン50mg+生理食塩水100ml 30分 ..
ステロイドを長期投与していたり、短期でも多量投与されている患者は、このような身体ストレスに適応するためのステロイドホルモンの分泌が抑制されています。
よってコルチゾールの分泌が抑制されている可能性のある患者に対しては、ステロイドホルモンの補充療法(ステロイドカバー)が必要となるのです。
[PDF] 当院における21-水酸化酵素欠損症3例の周産期管理
鉱質コルチコイドは身体において主に、水・電解質の調節を担っています。糖質コルチコイドは、糖・・に関与し、循環維持(カテコラミンの作用増強や、副腎髄質からのカテコラミン分泌増加)や、抗炎症作用、免疫抑制作用をもち、手術など身体にストレスがかかった状態において分泌がされ、身体の恒常性を維持するよう抗ストレスホルモンとしてのはたらきを示します。
その作用調節は、「視床下部→下垂体→副腎」により行われており、これをHPA軸によるコルチゾール分泌調節()と呼びます。副腎不全の患者では、身体に手術などによるストレス負荷がかかった場合に、このHPA軸による調節機構がうまく機能せずコルチゾール分泌が増加しないため、ステロイドカバーが必要となります()。
[PDF] 皮膚筋炎を伴った骨格性下顎前突症に 顎矯正手術を施行した 1 例
糖質コルチコイド(以下ステロイド)はどの分野においても診療の中で使用することの多い薬剤である。しかし、ステロイドには血中半減期・生物活性半減期・力価の異なるさまざまな製剤が存在することや、各疾患によって投与量や投与方法、減量速度などが異なること、副作用に注意しなければならないことなどから、煩雑だと感じる医師も少なくない。本稿では各種ステロイドの特徴とその使い分けについての基本事項と、内分泌領域での使用例、ステロイドカバーについて述べ、実際の症例を紹介する。
投与量に関しては、健常人のストレス時の分泌量に比して大量といえる投与量が推奨されてきましたが、2002年にCoursinらが手術ストレスに応じたステロイドカバーの基準を報告して以来、それを指標に投与することが推奨されています()。
型5-2 「炎症には分割!」 CASE6 副腎不全かも!(ステロイドカバーをしよう)
稲田英一:ステロイドカバー.麻酔 1998;47(増刊):74.より一部改変して引用
ステロイドカバーが現在の基準で用いられていることについては諸説あり、本当に投与が必要な患者の選択および投与量・投与期間についても検討が必要です。特に最近では鏡視下手術を中心とした低侵襲手術が増えていることと麻酔技術の進歩により、手術侵襲の評価はさらに難しくなっています。
[PDF] 第6回 副腎皮質ホルモン療法を受けている患者の歯科治療の注意点
しかし、現在の投与基準において術後の急性副腎不全を予防できていることから、現状においてステロイドカバーは必要と考えられます。
ステロイドのうち,緩和医療に適しているのは,半減期が長いベタメタゾ
本学会では、2017年06月29日に「ヨード造影剤ならびにガドリニウム造影剤の急性副作用発症の危険性低減を目的としたステロイド前投薬に関する提言」を発表し、2018年11月15日にこれを改訂しています。
プレドニゾロンとベタメタゾン・デキサメタゾンの効力比は 4 : 25 です.
急性(即時性)副作用発生の危険性が高いと考えられる患者さんにやむを得ず造影剤を使用する際には、危険性軽減のためにステロイド前投薬が長く推奨されてきました。しかし、欧州泌尿生殖器放射線学会(ESUR)の最新のガイドライン(ver. 10.0[2018])では、有効性に関するエビデンスが乏しいという理由で削除されています。米国放射線医会(ACR)の最新のガイドライン(ver. 2021)では、エビデンスが不足しているとしながらも、多くの専門家がその有効性を信じているとの理由から、前投与を考慮してもよいとしており、これらガイドラインの内容が異なる状況となっています。
デキサメタゾンリン酸エステルNa/ベタメタゾンリン酸エステルNa 134 part 5 ..
ヨード/ガドリニウム造影剤の投与により、急性(即時性)副作用を生ずることがあります。その症状は、軽度の蕁麻疹や悪心から、心肺停止に至るものまでさまざまです。その発生機序は不明な点が多く、また発生を確実に予知・予防する方法は存在し ませんが、危険因子は知られており、欧州泌尿生殖器放射線学会(ESUR)のガイドラインでは、1)造影剤に対する中等度もしくは重度の急性(即時性)副作用の既往、2)薬物治療が必要な気管支喘息、3)薬物治療が必要なアトピー、とされています(1)。しかし、これらが存在しても直ちに造影剤の使用が禁忌となるわけではなく、リスク・ベネフィットを事例毎に勘案して投与の可否を判断する必要があります。
[PDF] ソル・コーテフ注射用 100mg 製剤の出荷停止に伴う代替案
ステロイド前投薬を実施する場合には、緊急時を除き造影剤投与直前ではなく、充分前に行う必要があります。ステロイドの抗アレルギー作用を充分に発揮させるためには、理想的には造影検査実施の6 時間以上前に投与することが望ましく、特に造 影検査の直前にステロイドを静注する手法は好ましくないとされています。参考としてACR のガイドラインに基づくプロトコールを示します(処方例は、ガイドラインを一部変更したものです)(2)。
[PDF] 神奈川県病院薬剤師会雑誌 神奈川県病院薬剤師会雑誌
ステロイド前投薬を行っても、造影剤による急性副作用を完全に防ぐことはできず、またステロイドによる副作用のリスクにも配慮する必要があります(2)。したがって、ステロイド前投薬を行って造影検査を実施する場合には、事前に十分なインフォ ームドコンセントを得た上で、副作用発現時への対応を整えて実施することが望まれます。
「レムデシビル」、「デキサメタゾン」そして「ファビピラビル」などなど…
注意:ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロンなどのコハク酸エステル型ステロイドを静注で用いると、喘息発作を誘発することがある(特にアスピリン喘息の患者)ので勧められません。経口ステロイドにはこのような危険性は少ないとされています(7)。
結局診断はどうやってつけるの? ◇どんな人に治療をすればいいの? ◇ほいほいステロイド入れて害はないの?
ヨード造影剤による急性副作用の既往がある患者さんについて、ステロイド前投薬の有効性が不明確である一方で、造影剤の変更が副作用の発生頻度を下げるとの研究があります(4-5)。この手法を積極的に推奨するにはデータが不足していますが、メタアナリシスではこの手法が支持されています(8)。ガドリニウム造影剤については相反する結果が報告されており、造影剤変更の有効性は現時点では不明確です。