現在、アモキシシリン(AMPC)は、本邦で承認されている小児の最大投与
小児の急性胃腸炎の原因の多くは、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどのウイルスであり、細菌が原因であることは多くありません。細菌性胃腸炎の原因としてはカンピロバクターやサルモネラ、腸管出血性大腸菌などがありますが、これらは食中毒の原因菌として多いです。日常診療では、胃腸炎に抗生剤は必要ないことがわかります。
小児: アモキシシリン水和物として、通常 1 日20〜40mg
小児の皮膚感染症は、伝染性膿痂疹(とびひ)や蜂窩織炎が多く主な原因菌はや溶連菌です。治療の基本は洗浄で皮膚の清潔を保つことが重要です。そのうえで、ほとんどのケースでは外用抗生剤(軟膏)で対応可能です。抗生剤の内服が必要な例としては、皮下組織に進展している、発熱を伴う、リンパ節炎を伴う、多発性(5か所以上)、アトピー性皮膚炎の合併がある例などです。まだ市中感染のMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)の頻度は多くないことから、まずは第1世代のセフェム系で開始します。
百日咳はが原因です。日本では百日咳の予防接種の回数が不十分(本来であれば就学前に3種混合、11歳児の2種混合を3種混合)であるため、年長児や小中学生で咳が続くときに、鑑別が必要になります。最近発売された迅速診断キットやLAMP法などで診断を行います。5類感染症のため全数報告の対象疾患です。
小児: アモキシシリン水和物として、通常1日20 ~ 40mg(力価)/kg
ここまで見ていただくと、小児科の外来で処方する抗菌薬は、アモキシシリン、ケフレックス、クラリスロマイシン(orアジスロマイシン)などの数種類に限られることが分かると思います。
主な原因菌はなどです。マイコプラズマ感染症は5~12歳の学童に多く、主に気管支炎や肺炎を引き起こします。診断はLAMP法などで行います。近年、日本を含むアジアではマクロライド耐性のマイコプラズマが増加傾向にあります(2012年のデータでは耐性菌は81.6%にもなります)。マイコプラズマは自然軽快することも多いことから、私はマイコプラズマに対しては、マクロライド系抗生物質であるアジスロマイシンを第一選択にしています。マクロライドに効果がない場合は、第2選択としてクリンダマイシンやテトラサイクリンが候補になりますが、クリンダマイシンはマクロライドとの交叉耐性の問題がありますし、テトラサイクリンは8歳未満のお子さんでは歯牙黄染(3~4%)を起こすことがあり安易な処方には注意が必要です。治療抵抗性のマイコプラズマ感染症に対してはプレドニゾロン2㎎kg/dの有効性が認められており、抗生剤ではありませんが選択肢のひとつとして考えてもよいと考えています。
アモキシシリン水和物として、通常1回250mg(力価)を1日3〜4回経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。 小児
4歳以下の乳幼児の肺炎は主にウイルス性が占めており、細菌性は10%程度です。細菌としてはなどが原因となります。近年アメリカの小児科学会の提言によると「適切に予防接種が実施され、合併症のない小児の市中肺炎にはアンピシリンより広域な抗菌薬を使用すべきではない」と述べられています。予防接種により肺炎球菌やインフルエンザ菌による重症感染症はほとんど経験することがなくなりました。そういった点でも、外来ではアモキシシリン以上の抗菌薬を選択する意味はないように考えます。
鼻副鼻腔炎は、副鼻腔炎に感染が起こると発症します。副鼻腔に感染が成立するためには、ウイルス性鼻炎やアレルギー性鼻炎による炎症や浮腫が副鼻腔の排出経路がブロックされて、二次性に細菌感染が起こります。ですので、副鼻腔炎の大多数はウイルス性であり、抗菌薬は不要です。急性鼻副鼻腔炎の原因菌は肺炎球菌とインフルエンザ菌の2つで約80%を占めます。鼻腔の培養と副鼻腔炎の原因微生物の間には相関がないので鼻腔培養を行う意味はありません。ですので、1) 鼻汁や後鼻漏、夜間の咳など症状の改善がないまま10日間以上持続している、2) 39度以上の発熱と膿性鼻汁が3日以上続き重篤感がある、3) 最初は上気道炎だったが、1週間経過して再び38度以上の発熱が見られ、呼吸器症状が増悪するなどの症状がある時に治療の対象となります。
[PDF] アモキシシリンカプセル125mg「日医工」 アモキシシリン ..
一方で、インフルエンザ桿菌は中耳炎の15~30%の頻度ですが、日本ではインフルエンザ桿菌が増えていることから、アモキシシリンで治療がうまくいかない場合は、アモキシシリン・クラブラン酸(クラバモックス®)で対応ができると考えます。
第3世代セフェム系抗菌薬のなかで、セフカペンピボキシル:フロモックス®、セフジトレンピボキシル:メイアクト®などピボキシル基がついているものは長期に使用するとカルニチンを消費してしまいになることが分かってきました。カルニチンは脂肪酸をアシルカルニチンにβ酸化してエネルギーを得るために使われるため、長期にピボキシル基がついた抗菌薬を使用すると、脂肪からエネルギーが作れず、糖を消費してしまい低血糖を引き起こしてしまいます。
抗生剤(抗菌剤)の適正使用 (後編) | みうら小児科クリニック
抗インフルエンザ薬として、内服でオセルタミビル(タミフル®)、吸入薬でラニナミビル(イナビル®)、点滴でペラミビル(ラピアクタ®)が処方されます。日本ではオセルタミビル(タミフル®)耐性のインフルエンザは0.3~4.1%です。健常な小児でインフルエンザに対してオセルタミビルを用いると平均で約29時間ほど発熱期間を短くする効果が認められています。しかしながら、全例でオセルタミビルを服用する必要があるかは議論のあるところで、オセルタミビルを外来で使用しても入院率は減少しなかったという報告もあります。バロキサビル(ゾフルーザ®)が2018年に発売され小児でも適応がありますが、ですので、私は内服しかできない小さいお子様はオセルタミビルを、吸入ができる小学生以上のお子様はラニナミビルを処方しています。
小児における基本の治療はアモキシシリンであり、投与期間は5日間を原則とされています。 ▽一次治療
主な原因菌はなどです。急性中耳炎でも自然軽快することがあり、必ずしも全例に抗生剤が必要なわけではありません。アメリカの小児科学会では、中耳炎における抗生剤の適応として、耳漏がある場合や症状が強い場合は抗生剤の適応があるとしていますが、片側性で耳漏がない場合は経過観察を推奨しています。
小児:アモキシシリン水和物として,通常 1 日 20~40mg
ライノウイルスについては100種類以上あり、かぜ全体の半分を占めます。ライノウイルスは種類が多いため、別のライノウイルスに感染すると再度かぜを引いてしまいます。パラインフルエンザ、RS、コロナについても免疫が持続しないため、同じウイルスでも再度感染することがあります。この中で、小児で抗ウイルス薬の適応があるのはインフルエンザのみです。
なお、年齢、症状により適宜増減する。 小児:アモキシシリン水和物として、通常1日20〜
当院では小児抗菌薬適正使用加算を算定しております
小児の肺炎に対する clavulanate acid/amoxicillin(1
薬剤耐性菌は日本や世界中で増え続けており、その原因として抗生剤の不適切もしくは過剰な使用が背景にあると考えられています。薬剤耐性菌が増え続けると、本当に抗生剤が必要な病気になった時に抗生剤が効かず、重症化・難治化してしまいます。
1歳未満の乳児には「小児ボツリヌス症」を発症する可能性があるので、ハチミツは ..
急性上気道炎(かぜ)の原因はウイルス(アデノ、インフルエンザ、ライノ、コロナなど)であり、細菌ではないため抗生剤は効果がありません。不要な抗生剤の内服は、効果がないところか、体内に薬剤耐性菌を誘導してしまう恐れがあります。薬剤耐性菌を保菌していると本当に抗菌薬が必要な時、例えば手術や菌血症などの重症細菌感染症にかかった時に、抗菌薬が効かなくて治療に難渋します。世界的に多剤耐性菌が出現し、効果のある抗菌薬の種類は減っている一方で、新規の抗菌薬の開発は限界にきているともされています。いまある抗菌薬を適切に使用して、耐性菌を作らない取り組みがクリニックなどの日常診療でも必要です。実際、小児科の外来では、抗生剤を使う場面は限られています。薬剤耐性菌からお子様を守り、無用な薬剤耐性菌を作らないためにクリニックでは、抗菌薬は、本当に感染症が疑われるときのみに限定して処方するようにしています。
・小児の手の届かないところに保管すること。 ・誤用を避け、品質を保持するため ..
ですので、クリニックでは、アモキシシリンにアレルギーがあるとか、どうしても抗生剤が飲めない場合に限り、第3世代セフェム系抗菌薬を処方するようにしています。
のどかな田舎の耳鼻咽喉科、気管食道科で診療ガイドラインに沿った小児急性鼻副鼻腔炎の診療をやっています.
・胃腸炎
:カンピロバクター、サルモネラ菌などが原因。前者はクラリスロマイシン、後者はホスホマイシンが効くが、「抗菌剤適正使用」の点から「軽症には抗菌剤不要」とされている。
[PDF] 本邦小児に対する外来での抗菌薬適正使用プログラム実践ガイダンス
・中耳炎
:肺炎球菌、インフルエンザ菌が主な原因。第一選択薬はアモキシシリンまたはクラブラン酸カリウム・アモキシシリン
アモキシシリンカプセル125mg「日医工」[ヘリコバクター・ピロリ除菌]
・ピボキシル基を有する抗菌剤(セフカペンピボキシル(フロモックス)、セフジトレンピボキシル(メイアクト)、セフテラムピボキシル(トミロン)、テビペネムピボキシルなど)
:低カルニチン血症(小児で低血糖、痙攣、脳症を起こす)の副作用あり。テビペネムピボキシル(オラペネム)は7日間までの処方制限あり
(GrowthRing)は、小児医療関係者のためのサイトです。最新 ..
・クラビット、ジェニナックなど(ニューキノロン系抗菌剤)のほとんど
:動物実験で幼若動物に関節異常が認められたことから、小児(医薬品の年齢区分では「15歳未満」)は禁忌。トスフロキサシン(オゼックス)に限り小児適応あり。
大切なこどもたちのために、よりよい小児薬物療法の研究を続けている。 ..
ネルソン小児感染症治療ガイド 第2版 斎藤昭彦著 医学書院 2017
アモキシシリンカプセル250mg「トーワ」(東和薬品株式会社)
「保育園でのませられないので、1日2回にしてほしい」よく言われることですが、ここで「1日3〜4回」と記載されている抗菌剤αを「1日2回」で処方するのは、効果の点で問題があるだろうと考えます。