抗生剤が必要な風邪は、急性扁桃腺炎と急性副鼻腔炎です。 ・急性扁桃腺炎


副鼻腔炎が起こる原因としては、まず風邪などのウィルスや 細菌の感染によって鼻腔に炎症が起ります。副鼻腔は鼻腔とつながっていますから、副鼻腔にも炎症が及びます。この状態が急性の副鼻腔炎ですが、急性の場合には自然に治ったり、短期間細菌を叩く抗生物質などの薬物療法で、比較的簡単に治ります。ただ、ここで問題となるのは、副鼻腔粘膜の炎症が長引いた場合で、そうなると本来うみを排出する能力を持った粘膜の働きが悪くなり、粘膜そのものが腫れ上がって鼻腔との交通路をふさいでしまい、さらに炎症が治りにくくなるという悪循環におちいります。この状態が慢性副鼻腔炎、俗に言う蓄膿症です。ひどいときには腫れた粘膜が鼻腔まで広がって、ポリープ(いわゆる鼻たけ)になったりします。
この他にも、ハウスダストや花粉によるアレルギーや、喘息などが副鼻腔炎を治りにくくする場合もありますし、鼻中隔弯曲症や中甲介蜂巣などの骨構造の異常も悪化因子となり得ます。


○ 急性鼻副鼻腔炎に対しては、遷延性又は重症の場合を除き、抗菌薬投与を行わないこ

鼻腔を左右に仕切る鼻中隔は誰しも多少湾曲していますが、鼻閉や副鼻腔炎、嗅覚低下・障害が生じるほど湾曲の度合いが強ければ、曲がった部分の鼻中隔軟骨・骨を摘出してまっすぐにします。この手術は鼻内からアプローチします。

マクロライド少量長期投与を基本とする薬物療法と、内視鏡下副鼻腔手術を組み合わせて治療しますが、好酸球性副鼻腔炎は再発しやすい難治性の副鼻腔炎で、近年増加傾向にある病気です。
鼻内には鼻腔ポリープである多発性の鼻茸が生起し、副鼻腔粘膜への顕著な好酸球浸潤が特徴で、主に副鼻腔の病変は篩骨洞、嗅裂という部位に起こります。

副鼻腔炎 14 例を対象に抗生剤含有ネブライザーが、生食のみのネブライザーに対し ..

近年、小児の副鼻腔炎は程度が軽くなってきており自然に治る傾向もあるため、減少傾向にあります。しかし、一方ではアレルギー性鼻炎の合併が60%弱に認められ、滲出性中耳炎などの耳の病気や頑固な咳の原因にもなるために放置できない副鼻腔炎が多いことも事実です。治療は成人の副鼻腔炎とほぼ同様でマクロライド系抗生物質の長期少量投与や抗ヒスタミン剤などの薬物療法が中心となります。ただ、保存的治療で良くならない場合やポリープがある場合、耳や咳などの合併症が良くならない場合は手術が必要となります。一般的には小児の副鼻腔炎は7~8歳をピークとしてそれ以後は治癒傾向にあるために10歳を過ぎても良くなってこないときに手術を考えます。現在では内視鏡下手術により、骨の発育に悪影響を与えない手術もできるようになってきましたが、小児の場合は必要最小限の手術がふさわしいと考えられています。また、術後の治療も重要で、成人以上に完全治癒までの時間がかかるために術後数年間は経過観察が必要です。

最近、学会などでも治りにくい副鼻腔炎としてしばしば取り上げられているのが好酸球性副鼻腔炎です。これは鼻内に増加している好酸球(自身の血球の一種)が主体となって炎症を起こしているものであり、通常の副鼻腔炎に比べて治療抵抗性であることが知られています。

あなたの「風邪」は、鼻の症状が強い「急性鼻副鼻腔炎」のようですが、今のところ、

症状には他の副鼻腔炎と同様、膿性・粘性鼻汁や鼻閉が見られるほか、強い嗅覚障害が挙げられるのも特徴です。合併症には喘息、特にアスピリン喘息が多く見受けられ、好酸球性中耳炎が合併していることもあります。喘息との関わりが強さから気道に生じた同じ炎症病態とも考えられており、当院では気道全体を総合的にケアします。

重要性:急性副鼻腔炎は、小児における抗生物質処方の最も一般的な適応症の一つであり、米国では年間490万件が処方されていると推定されている。最適な経験的抗生物質に関するコンセンサスは存在しない。

目的:小児外来における急性副鼻腔炎の治療において、アモキシシリン-クラブラン酸塩とアモキシシリンを比較すること。

デザイン、設定、および参加者:全国規模の医療利用データベースにおいて、外来で急性副鼻腔炎と新規診断され、アモキシシリン-クラブラン酸塩またはアモキシシリンが当日新規処方された17歳以下の小児および青年を対象としたコホート研究。交絡を軽減するために傾向スコアマッチングを用いた。

曝露:アモキシシリン-クラブラン酸塩またはアモキシシリンの新規処方箋調剤。

主な転帰および評価項目:治療失敗は、新規抗生物質調剤、急性副鼻腔炎による救急部または入院での受診、副鼻腔炎合併症による入院での受診の合計と定義し、コホート登録後1~14日目に評価した。有害事象は、胃腸症状、過敏症、皮膚反応、急性腎障害、二次感染などを評価した。

結果:コホートには320例141人が登録された。傾向スコアマッチング後の患者数は198 942人(各群99 471人)で、内訳は女性100 340人(50.4%)、12~17歳の青年101 726人(51.1%)、6~11歳の小児52 149人(26.2%)、0~5歳の小児45 067人(22.7%)であった。治療失敗は全体で1.7%にみられ、0.01%に重篤な治療失敗(救急部または入院患者との遭遇)がみられた。アモキシシリン-クラブラン酸塩群とアモキシシリン群の間で治療失敗のリスクに差はなかった(相対リスク[RR]、0.98[95%CI、0.92-1.05])。胃腸症状(RR、1.15[95%CI、1.05-1.25])およびイースト菌感染症(RR、1.33[95%CI、1.16-1.54])のリスクは、アモキシシリン-クラブラネート群で高かった。患者を年齢で層別化した結果、アモキシシリン-クラブラン酸塩投与後の治療失敗リスクは、0~5歳ではRRが0.98(95%CI、0.86-1.12)、6~11歳ではRRが1.06(95%CI、0.92-1.21)、12~17歳ではRRが0.87(95%CI、0.79-0.95)であった。アモキシシリン・クラブラン酸塩投与後の有害事象の年齢層別リスクは、0~5歳ではRRが1.23(95%CI、1.10-1.37)、6~11歳ではRRが1.19(95%CI、1.04-1.35)、12~17歳ではRRが1.04(95%CI、0.95-1.14)であった。

結論と関連性:外来治療を受けた急性副鼻腔炎の小児において、アモキシシリン-クラブラン酸塩を投与された小児とアモキシシリンを投与された小児とで治療失敗のリスクに差はなかったが、アモキシシリン-クラブラン酸塩は胃腸症状およびイースト菌感染のリスクが高いことと関連していた。これらの知見は、急性副鼻腔炎における経験的抗菌薬選択の決定に役立つと考えられる。

- 耳鼻咽喉科感染症(耳炎、副鼻腔炎、A群β溶血性連鎖球菌によると評

などがあります。この病気の本質はまだまだ未解明の部分が多く、したがって根本的な治療法も確立されていませんが、感染による好中球炎症を主体とした副鼻腔炎と異なり、マクロライド系の抗生物質はあまり効かないため薬物療法に多くは期待できません。喘息や嗅覚障害を合併した重症例も多いために現時点では内視鏡下手術を施行し、術後ステロイドの内服や局所投与、局所の洗浄を行いながら、ポリープが再発したときにはあまり大きくならないうちにもう一度摘出するといったところが一般的です。再発率が高いといっても鼻閉や後鼻漏が少なくなり、喘息症状が著明に改善する場合も少なくありません。むしろマクロライド療法に多くを期待できない分、手術療法が果たす役割は大きいと考えています。

鼻の中は医学的には鼻腔(右図の緑の点線)と言いますが、鼻腔には左右の鼻のしきいである鼻中隔や下甲介、中甲介といった棚状の突起が存在します。鼻腔の周囲には副鼻腔という空洞があり、それには、ほっぺたの裏側にある上顎洞、両目の間にある篩骨洞、おでこの裏にある前頭洞、鼻の奥の一番深いところにある蝶形骨洞などがあります。これらの副鼻腔は全て細い穴で鼻腔に通じています。正常ではこれらの副鼻腔の中は、薄い粘膜で覆われていて、それ以外は空気で満たされているのですが、この空洞に炎症が起こるのが副鼻腔炎です。


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急性副鼻腔炎はよくある臨床テーマで、抗生剤の投与に落ち着くのが一般的だが、その是非をめぐっては議論の余地が残っている。局所ステロイドのような抗炎症薬は有効性が期待されるものの、調査研究が十分に行われてはいないからで、英国サウサンプトン大学のIan G. Williamson氏らの研究グループが、急性副鼻腔炎に対するアモキシシリンとブデソニド(点鼻用)の有効性に関する臨床試験を行った。JAMA誌2007年12月5日号より。



この試験は、240例の成人患者(16歳以上)を対象とする二重盲検無作為化プラセボ対照試験。

2001年11月から2005年11月までの間に58の家庭診療所(74人の家庭医)から、再発性でない急性副鼻腔炎患者(片側性の化膿性鼻漏、片側性の局所疼痛、両側性の化膿性鼻漏、鼻腔膿のうち2つ以上の診断を持つ)が集められ、抗生剤と点鼻用ステロイド、プラセボ抗生剤と経鼻ステロイド、抗生剤とプラセボ点鼻用ステロイド、プラセボ抗生剤とプラセボ点鼻用ステロイドの4つの投与群にランダムに割り付けられた。

投与は、アモキシシリン500mgを1日3回7日間、ブデソニド200μg を1日1回10日間が繰り返された。

主要評価項目は、症状経過、治癒に要した期間、症状の重症度を比較因子として10日目の治癒程度で比較した。





症状が10日以上持続している患者の割合は、アモキシシリン投与群29%(100例中29例)、非アモキシシリン投与群33.6%(107例中36例)だった。補正オッズ比は0.99(95%信頼区間:0.57-1.73)。

点鼻用ブデソニドについてもほぼ同様の結果で、投与群31.4%(102例中32例)、非ブデソニド投与群31.4%(105例中33例)で、補正オッズ比0.93(同0.54-1.62)だった。


二次解析の結果から、点鼻用ステロイドが有効なのはべースラインより症状が軽い患者であることが示唆された。

これらから研究グループは、抗生剤も点鼻用ステロイドも、単独か併用かを問わず、日常診療における急性副鼻腔炎の治療には有効でないと結論づけている。

(朝田哲明:医療ライター)

急性副鼻腔炎|南馬込おかばやし耳鼻咽喉科 西馬込 耳鼻科 大田区

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抗生物質の初回選択は原則としてアモキシシリン (amo‑ xicillin: 以下AMPCと

前回の小児急性鼻副鼻腔炎治療に引き続き、今回は大人の急性鼻副鼻腔炎治療について紐解いていきましょう。中耳炎と同じく年齢により原因菌や耐性率、使用できる薬剤に違いがあるので、選択する抗菌薬も変わってきます。

この記事では、蓄膿症(ちくのう症)の薬で有名な「チクナイン」についての解説をします。 チクナインは、蓄膿症・副鼻腔炎に効果のある薬です。

※日本鼻科学会「急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン2010年版」にもとづく

鼻副鼻腔炎(蓄膿症)の90%は、実は抗菌薬(抗生物質)が要らないとされています。 ..

内視鏡を使用して手術操作をすべて鼻の穴から行う、より安全で低侵襲(傷が少ない)手術です。鼻茸を切除し、病的な粘膜を除去された各副鼻腔が鼻腔に大きく開放されることで、副鼻腔炎の再発を防ぎます。

土曜日に副鼻腔炎になりアモキシシリンカプセル250mgを1日3回のんでます。 少し前に飲んだら脈が早くな…

日本鼻科学会編:急性鼻副鼻腔炎診療ガイドライン.日本鼻科学会誌49(2):143-247,2010

急性副鼻腔炎に対する抗菌薬治療、プラセボとの比較で症状改善みられず

鼻の穴から吸い込まれた空気は“鼻腔”へと入り、加湿され、咽頭(のど)を通って気管へと入っていきます。この鼻腔は、「鼻中隔(びちゅうかく)」と呼ばれる骨によって仕切られていて、右の鼻の穴から入った空気は右側の鼻腔に、左側の鼻の穴から入った空気は左側の鼻腔に入る仕組みとなっています。

アモキシシリンの効果は?使用上の注意や飲み合わせについても解説

など、前述の好酸球性副鼻腔炎と非常によく似た特徴を有しており、類縁疾患と考えられています。したがって、治療や経過もよく似ており、手術療法のみで完全に治すことは困難かもしれませんが、手術によって鼻閉や喘息症状が劇的に改善し、喘息薬の使用量が極端に少なくなる方も多く経験しています。解熱剤や鎮痛剤など手術後に使えないお薬もあり、手術後の経過観察が重要ですので経験の豊富な医療機関への受診をお勧めします。

中等症例 高用量のアモキシシリンを 5日間服用します。 症状が改善されない ..

副鼻腔炎の診断は視診と画像診断が基本となります。鼻腔内の観察には電子ファイバースコープなどを用いて鼻腔形態、ポリープの有無、鼻水の流れる部位などを詳細に観察します。しかし、副鼻腔炎には鼻腔内にあまり異常所見の見られない事もあり、多くの場合は画像診断が必要になります。画像診断には単純レントゲンやCTスキャンなどを用いますが、病変の部位、程度、骨構造を的確に診断するにはCTスキャンが最適と思われます。CTにて副鼻腔や固有鼻腔に高度の粘膜肥厚が認められた時には副鼻腔炎の可能性が高くなります。当センターでは3次元撮影も可能なCTを備えており受診当日にCTの撮影、診断ができます。さらに、鼻づまりの程度を客観的に診断するためには鼻腔通気度検査なども有用です。

アモキシシリン水和物(アモリン・サワシリン) – 呼吸器治療薬

これらの空洞に炎症が起こることを「副鼻腔炎」といい、正確には症状の経過が短いものを「急性副鼻腔炎」、3か月以上症状が続くもの1,2を「慢性副鼻腔炎」といいます。このうち、慢性副鼻腔炎が一般にと呼ばれています。

ラットにアモキシシリン水和物(2,000mg/kg/日)とランソプラゾ

少し前までは副鼻腔炎とは、細菌やウイルスによる副鼻腔の感染症と考えられていました。

[PDF] アモキシシリン水和物 小児感染症に対する最大投与量の変更

真菌(カビ)による副鼻腔炎など感染によるものもありますが、大半の副鼻腔炎は、現在では喘息のように細菌によって誘発される免疫の反応を中心に、様々な生体の反応で起こる病気と考えられています3。