メラトニンは、睡眠に対する影響以外にも、多くの機能があります。


メラトニンは体内のメラトニン受容体(MT1とMT2)という部位に対して働きます。メラトニン受容体作動薬も、MT1とMT2に作用し、病院やクリニックにおいて、と呼ばれる医薬品として、処方されています。


そして、外からメラトニンを加えることによって、免疫力が復活したとのことです。

メラトニンの様々な種類のがんに対する作用については多くの論文で証明されていますが、メラトニン単独または化学療法や放射線療法などの補助療法としての効果を調べた10件のランダム比較試験のメタアナリシスをご紹介します。

これによるとメラトニンの投与により、がんの種類やメラトニンの投与量に関係なく1年後の相対死亡率をなんと34%も減少させることができたとの報告がされています。しかも重篤な副作用はありませんでした。<図2>

ところが、メラトニン自体も、ストレスにより少なくなってしまうのです。

がん治療においても、例えば外科手術は免疫抑制を誘導するため、術後の腫瘍に対する免疫機能が低下し治療に悪影響を及ぼす可能性があります。ところが、メラトニンは急性炎症反応を抑えながら腫瘍に対する免疫反応に寄与し、免疫抑制を阻害すると考えられています。具体的には、下記のような報告がされています。

睡眠に対する効果として、があります。そのため、不眠症の治療に使われています。メラトニン受容体作動薬は、ベンゾジアゼピン系のと比較すると、であることが利点です。

メラトニンは睡眠や免疫力の活性化など多くの調節に関係しています。

体内時計にも作用するため、睡眠リズム障害の治療にも応用されています。

また抗酸化作用に加えて、免疫抑制状態では免疫の強化、急性炎症のような激しい免疫反応のある場合では抗炎症に働くなど、免疫システムを調整する働きもあります。このような機序により、複数の報告で心保護作用や降圧効果、膀胱機能障害(過活動性膀胱)から耳鳴り、肌質の改善まで幅広い効果が報告されています。

喫煙者を1週間禁煙させてメラトニン25mg服用すると、という報告があります。

(今回調べた31製品の)メラトニン製品のうち71%の製品が、ラベルに示されている含有量の10%以内の値を満たしていなかった。更に26%の製品には、セロトニンが含有されていた。(メラトニンはセロトニンから体内で作られ、セロトニンを過剰に服用すると健康被害が出る可能性がある。)臨床医師も患者も、睡眠障害に用いるサプリメントに対する品質について、信頼をおけるということが大切なことである。これを達成するためには、製品を製造する会社は、メラトニンサプリメントの製造において、ラベルに示した含有量の正確性だけでなく、セロトニンのような物質が混入しないということもにより製品管理を厳重に行うことが要求される。

米国薬局方が開示している情報によれば、NatureMadeのメラトニン3mgと5mgがあります。


メラトニンはメラトニン受容体(MT1受容体やMT2受容体)に作用することで ..

メラトニンは大変優れた抗酸化物質でもあります。抗酸化物質として有名なビタミンCは1分子でフリーラジカルを2個中和できる能力がありますが、メラトニンは1分子でなんとフリーラジカルを10個も中和することができます。メラトニンはアルツハイマー病などの認知機能の低下を抑えることで有名ですが、この脳神経の保護作用もそうしたフリーラジカル除去効果に由来すると考えられています。

認知症予防やエイジング対策に期待?『メラトニン』の分泌を促そう

メラトニンは、が認められたお薬になりますので、一般の睡眠薬としては処方することができません。

身体を休息モードにし、眠気を感じるホルモンが「メラトニン」です。 ..

Melatonin Natural Health Products and Supplements: Presence of Serotonin and Significant Variability of Melatonin Content
メラトニン自然健康プロダクトとサプリメント:セロトニンの混入とメラトニン含有量の非常に大きな変動
Lauren A.E. Erland, MSc, Praveen K. Saxena, PhD

当たり前のことかもしれませんが、不眠で悩んでいる方は光を意識した生活にしましょう。 メラトニンと年齢

<図3>


このように単独でも抗がん・抗転移効果があるメラトニンですが、化学療法や放射線治療との併用によってこれらの副作用を減らしたり治療効果を高める可能性があります。例えば、シスプラチンによる急性腎症や乳がんに対する放射線誘発皮膚炎を抑えます。そしてラットの研究ではありますが、メラトニン投与群はER陽性乳がんに対するアドリアマイシンの感受性が高まり、QOLの改善もみられました。

「メラトニンってどんなはたらきがあるんだろう……」 「メラトニンの分泌を促すためのポイントを知りたい」

また、メラトニンの細胞内への取り込みは通常であれば膜受容体で媒介されますが、近年グルコーストランスポーターがメラトニンの細胞内への取り込みにおいて中心的な役割を果たしていることが明らかになっています。糖質などのグルコースはがんの進行を促進しますが、メラトニンはこのトランスポーターを介してグルコースと競合し、グルコースの細胞内への取り込みを阻害します。

つまり、メラトニンの分泌を夜に効果的にするためには、昼間は逆にメラトニンの分泌が抑えられていなければなりません。

<図1>をご覧いただくとわかりやすいかと思いますが、仮にネガティブ・フィードバックがあったとしても、悲しいことに60代にもなると自力で作っているメラトニンの量がそもそもかなり少なくなるため、影響はかなり少ないことが予想されます。

メラトニンが「がん」と結びついている証拠を示す研究結果を3つ紹介します。 1.メラトニンによるがんの抑制2.夜の明かりとがんとの関係3.

メラトニンには性ホルモンの抑制効果があるため乳がんや前立腺がんといったホルモン系のがんに効果的ですが、以上のような機序によりホルモン系以外のがんにも効果が期待できます。

睡眠覚醒サイクルで過ごしてもらう。 メラトニンを口腔内投与しない場合、7

いかがでしたでしょうか。今まさにがんと闘っている患者さん、がん予防目的の方、睡眠に関する問題がある方、アンチエイジング目的の方、さらには旅行中の時差ボケ解消にもメラトニンは絶大な効果を発揮してくれるはずです。

メラトニンは脳の松果体によって生産、分泌される主成分ホルモンであり、概日 ..

すなおクリニックでも、上記の制度を用いてメラトニンを処方することを考えています。その中で、どの製品が良いのかということを調べていくうちに、昨年アメリカの臨床睡眠医学会の学術誌(Journal of Clinical Sleep Medicine)に掲載されている論文に出会いました。この論文の要旨の抄録の結論の部分を以下に示します。

メラトニン British Pharmacopoeia (BP) Reference Standard

アメリカではこんなにポピュラーで身近な存在なのに日本ではあまり浸透していないなんて、すごくもったいないと思います。今回の記事を通して、少しでもメラトニンに興味を持っていただければ幸いです。



※本記事は『統合医療でがんに克つVOL.135(2019年9月号)』にて掲載された『リオルダンクリニック通信4』を許可を得た上で一部調整したものです。

[PDF] 122. 松果体メラトニンによる網膜の光感受性抑制機構の解明 池上 啓介

一方、個人で輸入することは可能です。Googleサーチで、メラトニンを探せば、多くのサイトが現れます。冒頭の写真も、私が個人としてというサイトから購入したものです。

夜間薄明環境下で 24 時間に同調できずヒトの非 24 時間睡眠覚醒症候群のように長周期を示す一方、メラトニンが

日本人の3万人以上を対象とした研究で、食事からのメラトニン摂取が肝がんリスクに与える影響が調査された。岐阜大学の和田氏らの研究によると、日常的に摂取するメラトニンの量が多い人ほど肝がんに対するリスクが低いと判明した。この研究成果は、2024年2月にCancer Science誌【1】にて発表された。

図:メラトニンの分泌リズム…夜にたくさん出て、昼にはほとんど出ません

メラトニンは、睡眠を促し、概日リズムを整える内因性ホルモン、主に脳の松果体で生成される。このホルモンは体内の様々な組織に存在し、抗酸化や抗炎症、免疫調節といった機能も果たしている。また、メラトニンは肝臓で合成・代謝され、細胞保護やがん予防の効果があることも示唆されている。

これらの生理作用の重要性から、メラトニンおよびメラトニン受容体は ..

前述しましたようにメラトニンは、日本では販売されていません。しかし、日本で認可されていない医薬品でも、医師が厚生局を通じて厚生労働省から薬監証明を取得して合法的に輸入し、日本国内で処方薬として治療に使うことが可能は制度があります(文献4)。メラトニンはアメリカではサプリメントとして使われていますが、日本では神経ホルモン剤として医薬品の扱いになります。

メラトニン|梅華会グループ 耳鼻咽喉科・小児科|西宮・芦屋・尼崎

メラトニンは体外から摂取することも可能で、医療用途では主に睡眠の調整に利用されているが、肝がんなど他の疾患への臨床応用まで期待されている。さらに、メラトニンは野菜や植物の種子、卵などの食品にも含まれているが、これらの含有量は医薬品やサプリメントと比較すると非常に少ない。それでも、こうした食品を摂取することで血中メラトニン濃度が上昇することが報告されている【2,3】。過去の研究では、食事からのメラトニン摂取が多いほど死亡リスクが低下することが示されているが【4】、メラトニン摂取とがんの発症に関する研究はまだ十分ではなかった。