AGAの日本人 903 例にフィナステリド1mg/day を投与し、 5年間経過観察した801例を
これまで、2回にわたって、若年の健常者では低用量、および通常量のフィナステリドやデュタステリドを内服しても、精子数や精子運動率といった精液所見に問題になるような悪影響はなかったという論文を紹介しました(、)。
もともと精液所見が良いので、少しぐらい悪化しても基準値内におさまるという結果でもありましたが、不妊症になるかどうかは不明です。今回ご紹介する研究では、後ろ向きの検討となりますが、男性パートナーが不妊外来を受診した際にAGA治療薬として5α-還元酵素阻害薬であるフィナステリドを飲んでいた場合、どう対応したら良いかについての有用な情報を提供してくれています。生殖医療に携っているものとしては、日々遭遇する状況です。
還元酵素II型阻害薬 フィナステリド(プロペシア 錠0.2 mg
論文の要旨:
この研究の目的は、フィナステリドの内服を中止した後に、精液所見がどの程度改善するかを検討することです。
不妊症の評価のために受診した男性の診療情報を集めているデータベースから、精液所見や性ホルモンの値を抽出し、フィナステリドの中止前後の変化を解析しました。対象は2008年から2012年の男性症例です。
結果は以下のようになっていました。データベースに登録された4400名の男性患者のうち、27名(0.4%)が男性不妊症の評価のための受診当初にフィナステリドを内服していました。内服期間は平均57.4ヶ月でした。また、内服用量は1日平均1.04mgでした。フィナステリド内服中止後、平均の観察期間6.45ヶ月の間に、平均11.6倍の精子数増加を認めていました。高度乏精子症(精子数
結論としては、フィナステリドは低用量であっても症例によっては精子数の減少をきたす原因となっている可能性がある、としています。このように男性不妊症とされるような方の場合は、フィナステリド中止によって多くの症例で、精子数が劇的に改善しました。ホルモン値や精子運動率、精子形態は有意な変化はありませんでした。精子数が低下している男性においては、フィナステリドは中止すべきであると同時に、挙児希望の男性の場合はフィナステリドの使用に注意が必要です。
前の2回では、健常者を対象とした研究を紹介してきましたが、今回の論文は男性不妊症を対象としたものです。フィナステリド中止により劇的に精子数が上昇しています。この研究では乏精子症での改善が主に報告されていますが、精子数が15x106/mLと基準値内の症例でも精子数が3倍以上に増加していました。泌尿器科医師で生殖医療に関わっているものでは、この研究でのフィナステリドや、あるいはもっと強力な5α-還元酵素阻害薬であるデュタステリドを内服しているかどうかを常に確認し、内服していた場合は中止をお願いすることが一般的になっています。今回の研究は海外の検討ですが、我が国からの症例報告もあります(Chiba K et al., Fertil Steril 2011)。この症例は5年前に不妊治療専門のクリニックで乏精子症を指摘されていましたが、不妊治療はしていませんでした。1年前からAGA治療薬としてフィナステリド1日1mgを内服していましたが、再び乏精子症を指摘され、初めて男性不妊症外来を受診しました。その時点ではほとんど精子を認めず、無精子症に近い状態でしたが、フィナステリド中止後16週で精子数10x106/mLを超えるまでに改善しました。つまり、顕微授精が必要な状況から、人工授精が可能なレベルまで改善したということになります。適切な対応であったと思われます。
AGAは男性としては深刻な問題で、フィナステリドやデュタステリドを内服している方は高いお金をはらって治療しています。やめることをお勧めしてもなかなかご理解を得られない場合もありますが、子作りをする場合は、この薬剤のメリット(髪の毛が増える、前立腺癌予防)とデメリット(精子数が減る、持続的な男性機能障害がおきる、薬剤費がかかる、体外受精や顕微授精などより奥様の負担となる治療が必要になるといったリスクがある)をよく考えていただく必要があります。また、男性パートナーの方も早めに泌尿器科の専門医を受診して、検査や必要な治療、アドバイスをうけることが重要です。
3回にわたって5α-還元酵素阻害薬であるフィナステリドとデュタステリドと不妊症について、解説いたしました。若い健常者で精液所見が問題ない男性であれば、これらの薬剤の影響はあまり考えなくてもよいですが、若くても子供を作りたい場合や精液所見が悪い方は内服を避けた方がよいと考えられます。一方で、妊娠や生児獲得までのデータはありません。結局明確な結論はでませんが、男性不妊の場合には、原因は複数あることが多いので、できることはなんでもしていただくことが元気な赤ちゃんを授かることにつながります。ご参考になれば幸いです。
フィナステリド(プロペシア)の効果はいつから? 副作用まで医師が解説
亀田メディカルセンターでは男性不妊外来を開設しております。
泌尿器科専門医・指導医、生殖医療専門医の小宮顕部長が担当します。
当院のもご参照ください。
男性のAGA治療薬として知られる「フィナステリド」は、女性の薄毛にも効果が期待できるのでしょうか?
AGA治療(プロペシア効果)|船橋市のはせがわ内科外科クリニック
当院では、40代以上で妊娠の予定がなく、他の治療法が効果を示さなかった女性にフィナステリドを処方することがあります。本記事では、その効果や安全性について分かりやすく解説します。
フィナステリドは、元々男性型脱毛症(AGA)の治療薬として開発されました。その作用機序は、5αリダクターゼという酵素を抑制することで、テストステロンからジヒドロテストステロン(DHT)への変換を防ぐことです。DHTは、毛包の萎縮を引き起こし、脱毛を進行させる主因とされています。
[PDF] 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬 男性型脱毛症用薬 フィナステリド錠
女性がフィナステリドを使用する場合、男性同様にDHTの抑制を通じて毛髪の成長を促進することが期待されます。ただし、妊娠可能な女性には禁忌とされており、その理由は次に説明します。
フィナステリドは、妊娠中に服用すると男性胎児の外性器発達に影響を与える可能性があるため、妊娠可能な女性には禁忌とされています。また、錠剤を粉砕したり割ったりした場合、薬剤が皮膚から吸収されるリスクがあるため、女性が触れる場合には注意が必要です。
またフィナステリド1mg投与群は、24週時の評価でフィナステリド 0.2m投与群に比べ.
男性型脱毛症(AGA)の若年男性ではボディイメージの変化が心理社会的な障害となることが多い。ボディイメージへの不満は性機能の問題の増大に関連しているが、これまで心理社会的障害がAGA男性の性機能障害に及ぼす影響についての検討はなかった。スペイン・Hospital TorrecardenasのAlejandro Molina-Leyva氏らは、AGAの若年男性を対象に、抜け毛による心理社会的障害が性機能障害に及ぼす影響を検討した。AGAの主な治療の1つであるフィナステリド(1mg)には、性機能障害の副作用が現れることがある。著者らは「とくにフィナステリド治療を検討する際に、AGA男性では精神的健康状態および性機能の評価が重要といえる」と結論付けている。Acta dermatovenerologica Croatica誌2016年4月号掲載の報告。
横断研究デザイン。対象は、インターネットのオンラインコミュニティで募集したAGAの男性190人(18~40歳)。被験者はSKINDEX-29、Massachusetts General Hospital Sex Functioning Questionnaireから成るオンライン調査に回答した。
主な結果は以下のとおり。
・中等度~重度の心理社会的障害のあるAGA男性では、同障害がないもしくは軽度の男性と比較して、性機能障害のリスクが高かった(調整OR 2.1、95%CI:1.2~4.0、p=0.02)。
・性欲、性的興奮は性的反応が最も影響する要素だが、勃起不全の増加および全体的な満足度の減少が報告された。
・中等度~重度の心理社会的障害を有する18~40歳のAGA男性では、性機能障害のリスク増大が認められた。
ジヒドロテストステロンという男性ホルモンが毛根に作用して起こる薄毛をAGAと言います。ミノキシジルやフィナステリドの内服が最も効果的です。
女性の薄毛のメカニズムは複雑で完全には解明されていませんが、DHTが関与している可能性が示唆されています。以下に、女性へのフィナステリドの効果を示す研究結果を紹介します。
先発品プロペシア(フィナステリド )8,500円(診察料込)。5箱で40,000円(同 ..
これらの研究結果から、フィナステリドは女性に対しても一定の効果が期待できるものの、投与量や対象となる患者の条件によって効果が異なることが分かります。
[PDF] 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬 男性型脱毛症用薬 フィナステリド錠
妊娠可能な女性へのフィナステリドは禁忌ですが、将来的に妊娠の予定がない40代以降の女性や閉経後の女性で、かつ、スピロノラクトン等の他の薬剤が無効な場合に、フィナステリドの使用が考慮されることがあります。
「フィナステリド錠」はプロペシアの後発医薬品(ジェネリック医薬品)です。 プロペシアの発毛促進効果
フィナステリドは国内承認を受けているAGA(男性型脱毛症)の治療薬です。
日本だけでなく、海外でも認可されているため「AGA治療薬の代表選手」と言って過言ははありません。
日本皮膚科学会が発行する「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」においても「行うよう強く勧める」と最高の推奨度で評価されています。
フィナステリドには最も有名な「プロペシア®」の他にもジェネリック薬がいくつか存在します。基本的な薬理作用には差がないとされているので、価格を比較してどの薬剤を選ぶか検討してもよいでしょう。
薬剤評価掲示板 · \薬剤評価数 689,669 件/ · 薬剤評価掲示板TOP; フィナステリド錠
当院では、40代以降の妊娠予定がない女性や閉経後の女性に対して、医師による説明と同意を得た上でフィナステリドを処方しています。これまでの臨床経験では、重篤な副作用は報告されておらず、軽微な副作用もほとんどありません。また、全員ではありませんが、多くの患者が抜け毛の減少を実感しています。
投与中の男性型脱毛症患者に対し前立腺癌診断の目的で血清PSA濃度を測定する場合は、
不妊症の検査中に精子が少ないことがわかった場合、フィナステリド(プロペシア®)を飲んでいる方は、中止すると精子数が回復するようです。
定期的な医師の診察と毛髪の状態のモニタリングが、効果の評価と適切な治療継続のために重要です。
例えば、40代後半の女性患者で、1年以上のフィナステリド治療後に抜け毛が大幅に減少し、髪質の改善も報告されました。この患者さんは高い満足感を得られています。
プロペシア(フィナステリド)は、抜け毛と薄毛の進行を抑制が期待できる ..
フィナステリドの女性への安全性については、多くの研究で検証されています。以下は主な研究結果の概要です。10
【徹底調査】URARA(うらら)クリニックの口コミ・評判を取材で検証…
これらの研究結果を踏まえると、閉経後または妊娠の可能性がない女性において、フィナステリドは比較的安全に使用できる選択肢と考えられます。ただし、フィナステリドは女性の薄毛に広く使用されている薬剤ではないことから、女性における副作用は十分に解明されていません。さらに大規模な長期の研究が必要です。
皮膚科学会最高ランクのA評価. 日本皮膚科学会は男性型脱毛症治療薬の有効成分をその効果により5段階に分けて評価しています。
フィナステリドには、AGAによる抜け毛の進行を抑える効果があると考えられています。
AGAの主な原因は毛根にある5α還元酵素がテストステロン(男性ホルモン)と結びつき、抜け毛を進行させるDHT(ジヒドロテストステロン)に変換されるためです。
フィナステリドは「5α還元酵素」を阻害し、5α還元酵素がテストステロンと結びつくのを妨げる作用があります。
そのため、AGAが発症する要因であるDHTの生成を抑えることができ「AGAの進行を抑える」効果が期待できます。具体的な効果としては抜け毛の減少、硬毛の増加などが挙げられます。
[PDF] 5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬 男性型脱毛症用薬 フィナステリド錠
ある研究ではフィナステリドを5年間服用したところ、99.4%の症例において「写真評価で効果あり」との結果が出たと報告しており、非常に高い効果が期待できると言えるでしょう。