外来でよく使用するのはペニシリン系のアモキシシリン(サワシリン®、ワイドシリン®など)です。溶連菌感染症、中耳炎、..


ペニシリン系の抗生剤を10〜14日服用します。ペニシリンGが理想ですが、アモキシシリン(ワイドシリン、サワシリン、パセトシンなど)が使用されるのが一般的です。


AMPC:アモキシシリン(サワシリン®、パセトシン®、アモリン®、ワイドシリン®) CLDM:クリンダマイシン(ダラシン®)

皮膚の症状としては丹毒、伝染性膿痂疹、猩紅熱、蜂窩織炎、壊死性筋膜炎などがあります。
丹毒は乳児や高齢者に多く、皮膚の表層ときに真皮に限局した感染症で、周囲の正常皮膚より盛り上がり、境界鮮明であることが多いです。

お母さんたちの疑問はもっともだと思います。事実、抗菌剤はウィルスには効きません。ではなぜ抗菌剤が処方されるか。二次的な細菌感染を予防する目的だとか、見ただけでは細菌感染かウイルス感染かわからないので念のために投与するとか言われています。
しかし「ウィルス感染症にかかっているとき抗菌剤を投与すれば、二次感染の予防になる」というエビデンス(データによる証明)は、現在のところありません。つまり、予防できるとはっきりわかっているわけではないのに投与されているのが実態なんですね。
小児科医の学会では、こうした「念のため」「とりあえず」の処方はもうやめよう、という意見が強くなっています。
なかでも問題になっているのはセフェム系第3世代の抗菌剤です。この系列の薬は、長く使っていると耐性のある菌が生まれてきやすいのです。熱があるからといって何でもかんでも抗菌剤を投与していると、本当に菌による病気になったとき、なかなか抗菌剤が効かないということになりかねません。
また最近はペネム系をいう新しい系列の抗菌剤も登場しましたが、これも、それ以外の抗菌剤では効かない菌のために大事にとっておきたい薬です。
たとえて言えば、ペニシリン系はライフル、セフェム系はマシンガン、ペネム系は最後の切り札ミサイルです。敵(菌)をやっつけるためには、相手に合った必要最小限の武器から用いるのが大切なんですね。
もしあなたの主治医が「熱が出れば抗菌剤」なら、抗菌剤が本当に必要かどうか、聞いてください。医師には説明する責任があります。納得いかないようなら、病院をかえてもいいでしょう。服用の期間についても、医師は必要だから処方しているはずですので、同じように説明を求めてください。

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細菌は人間の都合に合わせてくれません。細菌は「この子は保育園に行ってるから手加減してやろう」なんていうことはなく、「どうにかして生き延びよう」とするものです。抗菌剤は適切な量を適切な回数使うことも大事なことです。

ご質問を寄せてくださったのは、アトピー性皮膚炎のお子さんをお持ちのお母さんではと推察します。アトピー性皮膚炎の治療の最初の選択はステロイドの塗り薬ですからね。しかも、ある程度の期間は使うことが必要になりますから。
アトピー性皮膚炎の場合では、休みなく使いつづけていると、皮膚が薄くなったり、血管が浮き出したりすることがあります。アトピー性皮膚炎の起こっている部分はもともとバリア機能が低下しているのですが、さらに抵抗力が落ち、カビや菌などにも感染しやすくなります(抗菌剤が効かなくなるということはありません)。
また、皮膚から慢性的に吸収される‥‥‥、つまり外から常にホルモンが入ってくるので、体内でステロイドホルモンを分泌する副腎の機能が抑えられてしまうことも、まれにあります。けれど、医師はこうしたマイナス面も念頭に置きつつ、それでも必要だからステロイドを処方するのです。いま述べたようなことが起こらないよう、必要最低限、短期間の使用ですむように、いろいろ工夫もしています。いきなり中止せず、段階的にランクや量を減らしでいくのも、そのひとつ。
ステロイドはアトピー性皮膚炎の治療にすぐれた効果を発揮する薬ですから、そのように、正しく用いることが必要です。適正に使うことまで、むやみに嫌うのも問題ではないでしょうか。
まずどのくらいの期間使うのか、そのほかどのようなケアをしたらいいのかなど、しっかり医師に聞いて下さい。塗り方やスキンケアの指導もなく、ただ「塗ってください」という指示しか出さない医師なら、病院をかえてもいいでしょう。

耳鼻咽喉科感染症に対するアモキシシリン錠(ワイドシリン錠′明治′)

咽頭扁桃炎の症状としては咽頭痛、倦怠感、発熱、頭痛などです。鼻汁、咳、声枯れ、結膜炎は見られないことが多いです。3歳未満の子では典型的な症状が見られないことが多く、水溶性の鼻汁、微熱、不機嫌、食欲不振などが主な症状で(Streptococcal fever)、無症状のことも多いです。女児では外陰・膣炎を認めることもあります。

例えば、喉の急性細菌性咽頭炎(ほとんど溶連菌が原因)と急性細菌性中耳炎(主に肺炎球菌、インフルエンザ菌が原因)は、どちらも抗菌剤アモキシシリン(当院はワイドシリン)が第一選択薬です。効果の関係から、前者と診断したら処方量を「体重あたり30mg/日」、後者でしたら「体重あたり40-50mg/日」と変えています。

④ 原則としてアモキシシリン(AMPC, 商品名ワイドシリン)60mg/kg/日(2 歳未満ある

これは誤解です。薬が病気を治しているわけではありません。薬は症状をやわらげたり、原因になる菌をやっつけるのが仕事。治るのは、あくまで本人の持つ治癒力のおかげです。薬はそれを引き出す手伝いをしているだけ。
確かに大人の場合、頭痛や生理痛で薬を常用していると効かなくなることもあります。でもそれは「体が弱くなった」ということではありません。あくまで特定の薬成分に体が慣れて、反応が鈍くなったということです。

抗菌剤の選択に関しては、他にも、コストの問題(同じ効果なら安いほうがいいでしょう)、投与経路の問題(内服か注射かなど)などから、専門的には「より狭域抗菌剤がいい(いろんな種類の細菌に効くより、ターゲットを絞った抗菌剤がいい)」、「難治性細菌への抗菌剤(特別な抗菌剤)を温存するほうがいい」などありますが、ここでは割愛します。


泌尿器感染症に対するアモキシシリン錠(ワイドシリン錠′明治′)

同じ成分の薬でもメーカーが違うと製品名が違います。【サワシリン】【パセトシン】【ワイドシリン】はすべて同じ成分(=アモキシシリン)です。他にも【アモリン】【エフペニックス】など、アモキシシリン成分の薬は、10以上あります。
では、同じ成分ならどれを選ぶかですが、①その子が好む味や香りのものを使う。②医師はそれまでの経験で自身がよく処方してきた商品、つまり「使い慣れた商品」を処方する傾向がある(同じ成分でもあまり浮気?をしない)。③同じ成分なら患者さんの負担にならないよう価格の安いメーカーの商品を選ぶ医師もいる。
「同じ目的の薬なのに…」とお母さんが感じるのは、おおよそこうした理由によるものではないでしょうか。
また、お母さんには「同じ目的の薬」に思えても、実は成分や目的は微妙に違っているという場合もあります。たとえ「かぜ」という診断は同じでも、そのときそのときで症状やその重い.軽いは違うからです。特に菌が原因の病気であれば、原因菌によって使う抗菌剤の種類が違ってくるのも当然です。病気は毎回違うのですから、むしろ「同じ薬」のほうがおかしいといえませんか?
薬の効果についても同様です。「病院によって効き方が異なる」のではなく、病気によって効果の出方も違うのです。
たとえば菌が原因の病気での発熱なら、適正な抗菌剤を使えば熱も下がっていきます。でも、ウィルスによる病気だったら抗菌剤を飲んだからといって熱は下がりません。
実際、子どもにはウィルスによる病気が多く、これらの病気は薬が治してくれているわけではありません。たとえばアデノウィルスによる扁桃炎や咽頭結膜熱(プール熱)などは、どんな薬を用いてもだいたい5日間くらいは高熱が出ます。自然に治るべき時期にきたから、治っているのです。対症療法の薬については、薬が効く=治すではないことを、理解しておきましょう。