治療歴のない(de novo)StageIV乳がんに対する初期薬物療法の効果は術後再発乳がん ..


2019年6月,International Agency for Research on Cancer(IARC,国際がん研究機関)はフランスのリヨンにおいて,16カ国27名の科学者からなるワーキンググループによる会合を開き,2020年に発癌と夜間勤務に関するモノグラフを公表し,2010年と同様に夜間勤務をGroup 2A(probably carcinogenic to humans:ヒトに対しておそらく発癌性がある)に分類している。これによると,最も多くの有益な研究が乳癌を調査しており,数件は前立腺癌および大腸癌を調査していたが,他の癌については調査されたものは少なかった。本ワーキングにおいて検討された乳癌に関する研究報告は,17件がコホート研究(ネステッド症例対照研究を含む),14件が症例対照研究,4件がメタアナリシスである。


がん治療におけるメラトニンの有効性(がんの種類別):文献的考察

これらの報告を受けて、欧州の一部の国は、夜勤がつきものの看護師と客室乗務員が20年以上勤務したあとで乳がんになった場合に、労働者災害補償保険による給付が受けられる制度を始めました。いわゆる労災の適用になるということです。

これに関係すると考えられているのがメラトニンというホルモンです。人間には体内時計と呼ばれる仕組みがあり、昼間活動して夜間眠るよう生体機能を調節しています。この体内時計のリズムを作るのに欠かせないのがメラトニンです。夜間勤務、もしくは不規則な生活で夜間も明るい照明にさらされると、メラトニンの分泌が大きく減ってしまいます。メラトニンは体内時計の調節だけでなく、がんの発生をおさえるがん抑制遺伝子の作用や、性ホルモンの分泌にも深くかかわっているとされ、夜間勤務でメラトニンが減少すると、乳がんを発症しやすくなるおそれがあります。

BQ9 夜間勤務は乳癌発症リスクを増加させるか? | 疫学・予防

<図1>をご覧いただくとわかりやすいかと思いますが、仮にネガティブ・フィードバックがあったとしても、悲しいことに60代にもなると自力で作っているメラトニンの量がそもそもかなり少なくなるため、影響はかなり少ないことが予想されます。

例えば、甲状腺ホルモンなど通常のホルモン剤の場合、内服を始めるとそのホルモンが体に十分な量存在しているために自力でホルモンを生成するのを怠けることがあります。それをネガティブ・フィードバックと呼びますが、メラトニンのサプリメントの場合はこれがありません。

睡眠時間が増加するとメラトニンという睡眠時に分泌されるホルモンの分泌時間が長くなり、このメラトニンが

夜間に起きていることで乳がんが増えることを示すデータは、まだ日本では得られていませんが、乳がんと同じく性ホルモンの影響を受ける前立腺がんについては結論が出ています。交替勤務につく男性は、昼間だけ働く人とくらべて前立腺がんの発症率が3倍高くなっていました。研究が進めば、日本でも、夜間勤務と乳がん発症の関係が明らかになるでしょう。

17件のコホート研究のうち,欧州諸国で13件,中国で2件,米国で2件が実施されている。結果として,一般集団内の大規模コホートを含む多くのコホート研究では,乳癌の発症と夜勤の有無または夜勤時間の延長との間に正の相関は認められなかった。一方でワーキンググループは,小規模であったりデータの不足がある等,研究デザイン上の問題点を指摘している。夜間勤務と乳癌発生の関連を示した研究に,広範な年齢範囲にわたって乳癌リスクを評価した大規模コホート研究であるNurses’ Health Study(NHS)Ⅱ試験がある。乳癌発症のない115,022人の看護師を対象として12年間の経過観察を行った結果,全く夜間勤務に従事しなかった女性と比較して,夜間勤務に20年以上従事した女性の相対リスク(RR)は1.79(95%CI 1.06-3.01)であった1)。有意な関連は,デンマークのネステッド症例対照研究2)〔n=58,091,オッズ比(OR)1.8,95%CI 1.2-2.8〕やスウェーデンコホート3)(n=4,036,RR 20.2,95%CI 1.03-3.95)でもみられている。

[PDF] 項 内 容 名称 メラトニン、松果体ホルモン [英]Melatonin [学名]

乳癌は一般的に西洋化の進んだ地域での発症率が高いため,疫学研究では食や生活習慣の西洋化に焦点が当てられ,乳癌との関連が疑われるさまざまな因子が取り上げられてきた。西洋化の一面として,夜間業務に携わる女性が増加してきたのは事実であり,女性のサーカディアンリズムの変化や夜間の電光曝露が関連性のあるリスクとして注目されてきた。
その理論的な根拠となったのは,1978年Cohenらによる松果体と乳癌との関連性についての報告,さらに1987年にStevensが報告した“melatonin hypothesis(メラトニン仮説)”である。Stevensはメラトニンと乳癌の関連性についてさまざまな実験報告をレビューし,電磁波や夜間の電光曝露によるメラトニン減少が内因性女性ホルモンの上昇や免疫系等に影響し,乳癌の発症率を増加させているのではないかと報告した。また,全盲女性における乳癌発症率の低値は,メラトニン仮説を裏付ける疫学的根拠となった。以後,この仮説を検証すべく夜間の電光曝露,あるいは夜間勤務と乳癌発症との関連性についていくつかの疫学研究が行われている。

また抗酸化作用に加えて、免疫抑制状態では免疫の強化、急性炎症のような激しい免疫反応のある場合では抗炎症に働くなど、免疫システムを調整する働きもあります。このような機序により、複数の報告で心保護作用や降圧効果、膀胱機能障害(過活動性膀胱)から耳鳴り、肌質の改善まで幅広い効果が報告されています。


メラトニンの分泌が高まると、深部体温が低下し、からだが休息モードに導かれて ..

日本全国、町でも村でも道路網が整備され、乗用車が普及しました。交通機関が発達したことで歩く機会が減っています。運動不足で乳がんが増えるという報告は、日本でも欧米でも提出されており、日本人女性5万人を対象にした調査からは、とくに閉経後の女性がスポーツや運動を週に3回以上おこなうことで、乳がんの発症率が30%くらい下がることが示されました。大腸がんも同じでしたね。日本人で運動による予防効果が確かめられているのが、大腸がんと、この乳がんです。

乳がんについて知る | MSD oncology がんを生きる

がん治療においても、例えば外科手術は免疫抑制を誘導するため、術後の腫瘍に対する免疫機能が低下し治療に悪影響を及ぼす可能性があります。ところが、メラトニンは急性炎症反応を抑えながら腫瘍に対する免疫反応に寄与し、免疫抑制を阻害すると考えられています。具体的には、下記のような報告がされています。

乳がんの特徴や症状、種類、検査/診断、治療、治療後の生活について、わかりやすく解説するサイトです。

<図1>


メラトニン値は思春期に入る前にピークを迎え、30代でピークの3分の1、50代になると6分の1程度にまで減ってしまうと言われています。メラトニンのサプリメントを飲み始めると、子どもの頃のように鮮やかな夢を見ることがあるのはこのためです。はじめは変に感じるかもしれませんが、数日で慣れるのでご安心下さい。

他に特別な要因がないのに乳がんにかかった女性を対象にした労災補償があります。 ..

メラトニンの様々な種類のがんに対する作用については多くの論文で証明されていますが、メラトニン単独または化学療法や放射線療法などの補助療法としての効果を調べた10件のランダム比較試験のメタアナリシスをご紹介します。

不眠症(Sleep profile:メラトニン/コルチゾール)検査

夜勤のある仕事をしている人や客室乗務員などはメラトニンが低下し、概日リズムが崩れやすいため乳がんや前立腺がん、大腸がん、子宮体がんなど各種がんを発症する確率がかなり高くなることがわかっているので要注意です。

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これによるとメラトニンの投与により、がんの種類やメラトニンの投与量に関係なく1年後の相対死亡率をなんと34%も減少させることができたとの報告がされています。しかも重篤な副作用はありませんでした。<図2>

乳がんのリスクが高まる事がわかっています。また、プロゲステロンに備わっている ..

meditationは怒りや不安、筋肉のこわばりを取り除きます。消化も促し、がん患者さんの落ちている消化器症状も改善させてくれます。そして、コルチゾールレベルもコントロールでき元気にもなってくるでしょう。

米Cantex社、経口RAGE阻害薬が乳がん脳転移で3つ目の希少疾病用医薬品 · 4

私は大家族で育っており、いつも食事はわいわいとみんなで楽しみます。このバンクーバーでの滞在では1人で食事をすることが多く、お皿の数も少なくほぼ無言な状態で黙々と食べていると、いつものような満足感がありません。時に、突然ながらも隣り合わせた人と会話が弾むと食事もぐっとおいしくなります。がんにおいての栄養療法も、これと同じことが言えると思います。サプリメントや点滴の栄養療法も同時に大切ですが、何と言っても普段の食生活の形が大切なのです。

睡眠について(後編)~良質な睡眠を得るために~|ドクターコラム

<図3>


このように単独でも抗がん・抗転移効果があるメラトニンですが、化学療法や放射線治療との併用によってこれらの副作用を減らしたり治療効果を高める可能性があります。例えば、シスプラチンによる急性腎症や乳がんに対する放射線誘発皮膚炎を抑えます。そしてラットの研究ではありますが、メラトニン投与群はER陽性乳がんに対するアドリアマイシンの感受性が高まり、QOLの改善もみられました。

食品の摂取により血中メラトニン濃度が上昇することが報告されている。食事からのメラトニン ..

また、メラトニンの細胞内への取り込みは通常であれば膜受容体で媒介されますが、近年グルコーストランスポーターがメラトニンの細胞内への取り込みにおいて中心的な役割を果たしていることが明らかになっています。糖質などのグルコースはがんの進行を促進しますが、メラトニンはこのトランスポーターを介してグルコースと競合し、グルコースの細胞内への取り込みを阻害します。

ナチュラルホルモン補充療法は福岡の【中島こうやクリニック】まで

メラトニンは主に松果体という脳の真ん中辺りにある器官で産生・分泌されるホルモンです。睡眠の質や長さを改善するだけでなく概日リズムを調整する働きがあり、副腎や甲状腺、性ホルモンなど多くの他のホルモンにも影響を与えます。合成や分泌は暗闇で促進され、光やカフェイン、アルコール、タバコ、降圧薬やスタチンなどで抑制されます。

な相関は認められなかった3心 。 10.メラトニン抑制と健康影響

2019年のIARCによる検討以降も,2件のコホート研究,4件の症例対照研究,1件のシステマティック・レビュー,1件のメタアナリシスが報告された。2019年に報告された英国で行われたコホート研究では,16歳以上の女性102,869人を対象として9.5年間の経過観察を行った。その結果,夜間勤務者のRRは1.00(95%CI 0.86-1.15)であった4)。2021年に報告されたポーランドで行われた症例対照研究では,35歳以上の女性乳癌患者494人と非乳癌の女性515人を比較した結果,夜間勤務を行ったことがある者のない者に対するORは2.61(95%CI 1.94-3.53)であった5)。2021年に報告されたメタアナリシスは,特に夜間勤務の長さと乳癌リスクとの関連を検討している。26件,1,313,348人を対象としたメタアナリシスでは,10年未満の夜間勤務者のRRは1.13(95%CI 1.03-1.24),10年以上の夜間勤務者のRRは1.08(95%CI 0.99-1.17)であり,夜勤の従事期間が短いほどリスクが増加する傾向を示した6)

乳がんに対するご不安な気持ちを早く解決できるといいですね。またご不明なことが ..

リオルダンクリニックでも実際ほとんどの患者さんががんの治療や転移予防、睡眠補助の目的でメラトニンを内服されています。私も時差ボケがなかなか治らずとても辛かった時にメラトニンを飲んでかなり助けられたのと、内服するとぐっすり眠れて疲れが取れる感じがするため、今では手放せないサプリメントの一つになっています。

睡眠ホルモンが前立腺がんのリスクを75%減らす 生活習慣が影響

メラトニンには性ホルモンの抑制効果があるため乳がんや前立腺がんといったホルモン系のがんに効果的ですが、以上のような機序によりホルモン系以外のがんにも効果が期待できます。