溶連菌感染症の合併症として重要なのがリウマチ熱(溶連菌感染によって体内にできた ..
のどが痛く風邪かな(咽頭炎や扁桃炎)と思い、病院に行ったら、「溶連菌感染症です」と言われたことはないでしょうか?今回は、のどが痛くなる感染症の原因の一つであるA群溶血性レンサ球菌(以下、溶連菌)について紹介します。
溶連菌感染症の薬物療法は?(薬局)公益社団法人 福岡県薬剤師会
溶連菌感染症は主に11月から4月にかけて流行します。しかし、この期間外でも感染する可能性はあるため、年間を通じて注意が必要です。
溶連菌は細菌の一種で様々な菌種がありますが、咽頭炎の原因となるのは主に(以下、 )という菌種になります。この菌に感染している人が咳やくしゃみ、会話をした際に、菌が含まれたしぶきが口から飛び、これを近くにいる人が吸い込むことによって、ヒトからヒトへ感染を起こします(飛沫感染)1)。また、接触感染(菌の付着した手で口や鼻に触れ感染)や経口感染(食品を介して感染)によって、膿痂疹(とびひ)や食中毒の原因になることも報告されています。
溶連菌感染症は、感染症発生動向調査*2)において5類感染症の小児科定点把握疾患「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」として位置づけられており、成人も感染し得る病気ですが、幼児から学童期の小児に多く発症し、家庭内や学校等の集団発生が多いことが特徴です。流行の時期としては、冬季及び春から初夏にかけての2つの時期に多く発生します3)(図1)。
[PDF] 溶連菌の感染症が増加中!抗菌薬は適切な使用方法を守って
溶連菌感染症の診断には、簡易検査キットを使用します。この検査はインフルエンザの検査と同様に、約15分で結果が判明します。
治療には主にペニシリン系の抗生物質(サワシリン、ワイドシリンなど)を使用します。ペニシリンアレルギーがある場合は、エリスロマイシンやクラリスロマイシンなどの別の抗生物質を使用します。また、セフェム系の抗生剤を使用することもあります。
溶連菌による咽頭炎の症状としては、2~5日の潜伏期を経て、突然ののどの痛み、発熱、全身倦怠感、嘔吐等が現れます。菌が産生する発赤毒素に対して免疫のない人は発熱の後、全身症状として身体や手足に紅い皮疹が現れ、顔面では額と頬が紅潮し、皮疹がおさまった後、指の皮がむけることがあります(猩紅熱)3)。また、舌が苺状に赤く腫れる苺舌となることも特徴です。合併症として、急性糸球体腎炎やリウマチ熱等を引き起こすこともあり、合併症を防ぐためにも、早期の診断・治療を受けることが重要です。早期診断のために、溶連菌の迅速診断キットが医療機関で利用されており、数分で結果を知ることができます。
溶連菌のワクチンは実用化されておらず、治療にはペニシリン系薬剤を使用しますが、ペニシリンに対してアレルギーがある場合にはエリスロマイシン、クラリスロマイシンを使用します。また、セフェム系薬剤を使用することもあります。これらの抗菌薬は病気の原因である溶連菌に効果のある薬ですので、勝手に飲むのをやめたりせず、決められた期間にきっちりと飲みきることが大切です。厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」1)の中では溶連菌感染症の治療時の登園再開の目安として、「抗菌薬の内服後24~48時間が経過していること」とありますが、病状により医師が感染のおそれがないと認めるまでは登園・登校停止の措置が必要と考えられますので、医師の指示に従うようにしましょう。
息子の溶連菌感染症が移ったようで、発熱、倦怠感がある。自分に処方された残薬(処方日不明)のクラリスロマイシンを飲んで良いか?(県民)
溶連菌感染症で重要なのは、
症状が改善しても処方された薬を
A群溶血性連鎖球菌(溶連菌)は、子どもののど(急性咽頭炎)や皮膚(膿痂疹)に感染症を起こす細菌です。ありふれた感染症ですが、感染後にリウマチ熱や急性糸球体腎炎を起こすことがあり、注意が必要です。
溶連菌、MRSA、嫌気性菌なども起炎菌となりえます。クリーム状の黄白色の ..
溶連菌による急性咽頭炎を抗菌薬で治療すれば、リウマチ熱は防げます。急性糸球体腎炎は咽頭炎でも膿痂疹でも起こす可能性があり、抗菌薬で治療しても防げません。溶連菌感染後は1ヶ月くらい、むくみや血尿、高血圧などの症状に注意が必要です。
当所では、感染症発生動向調査に基づき、神奈川県域(横浜市、川崎市、相模原市、横須賀市及び藤沢市を除く)の小児科定点医療機関において、「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」と診断された患者さんから採取した咽頭ぬぐい液を培養し、溶連菌を分離し、どのような種類の溶連菌であるかを確認する検査を行っています。迅速診断キットとは異なり、培養等に時間がかかりますが、溶連菌そのものを分離・同定することにより溶連菌のT血清型別(⑥参照)を行い、どの種類のT型が流行しているかを監視することができます。次にその検査の内容を紹介します。
抗生剤(抗菌剤)の適正使用 (後編) | みうら小児科クリニック
溶連菌による急性咽頭炎は、溶連菌がのどに感染して、発熱、のどの痛み、頬や首が赤くなる発疹が出ます。発疹が強い場合は猩紅熱とも呼ばれます。5~15歳の子どもに、冬から春先にかけて多くみられます。唾液や鼻水を介して伝染し、潜伏期間は2~5日です。流行状況や、のどの所見(のどが赤く腫れていたり、膿がついているなど)から、溶連菌感染の可能性がある場合、抗原迅速検査を行って診断します。
的の抗菌薬投与は、推奨されない(複数の無作為化比較試験で効果がないことが示されている)。 ..
溶連菌感染症(ようれんきんかんせんしょう)は、A群溶血性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)という細菌によって引き起こされる感染症です。
ペニシリンアレルギーがある場合は、エリスロマイシンやクラリスロマイシンなどの別の抗生物質を使用します。 ..
①で発育したβ溶血コロニーをグラム染色し、顕微鏡で菌の形を観察します。溶連菌は紫色の丸が連鎖した形(グラム陽性連鎖球菌)になります(図3)。
[PDF] マクロライド系抗生物質製剤 日本薬局方 クラリスロマイシン錠
菌に3%過酸化水素水を垂らして、持続性の気泡を生じた場合を陽性とし、気泡を生じない場合を陰性とします。この試験で陽性を示すのは黄色ブドウ球菌で、溶連菌は陰性となります(図4)。
2 in vitro抗菌力の検討において、本剤とレボフロキサシン又
咽頭炎は、治療をしなくても、3~5日間で治ってしまいます。抗菌薬の飲み薬を使うことで、早く良くなり、また他人にうつす危険性も減らせます。薬を飲み始めて1日で熱が下がりますが、中断せずにペニシリンアレルギーがある場合は、クラリス(15 mg/kg/day, 10日間)やジスロマック(10 mg/kg/day, 3日間)を使います。抗菌薬を飲み始めて24時間たてば、他人にうつす危険はなくなります。
マイコプラズマに対する抗生物質(クラリスロマイシン)を使用して治療します。
溶連菌の細胞壁(細菌の表面を覆う厚さ10~89nmの膜)にある細胞壁多糖体(C多糖体)の違いが、Lancefield博士によって発見され、A~V群(I,Jを除く)の溶連菌に分類されています。Lancefield血清群別を行うキットを用い、A群であるかを確認します4)。
著者らは11,表4に示したように cefcapene―pivoxil
お子さんがかかることが多い溶連菌感染症ですが、
ここ数か月は流行に伴い、
大人の方でかかっている方も増えています。
(CFPN―PI)5日間,CFPN―PI 10日間,AMPC 10日間
β溶血を示す溶連菌の中で、(A群)のみがピロリドニルアリルアミダーゼ(PYR)という酵素を産生します。この性質を利用した市販のキットを用い、PYRの有無を確認し、陽性だったものを(A群)とします4)。
―抗菌薬を正しく服用しないと、本当に必要な時に効果がでない可能性が―
菌体表層には④で述べたC多糖体の他に、MタンパクとTタンパクがあり、このタンパクの違いを見ているのが血清型別になります。Tタンパクによる型別(T型別)はどのような溶連菌が流行しているのかを調査する手段として有効で、T型別を行い、分離した溶連菌がどのT型であるかを決めています。一方、Mタンパクによる型別(M型別)は病原性を見る手段として重要ですが、市販血清がないため、それに代わる方法として、溶連菌のMタンパクを遺伝学的に型別する方法(型別)が用いられています4)。
うがいによる急性気道感染症の予防効果の検証は、ほとんど行われていない。 ..
溶連菌感染症は、
溶連菌(溶血性レンサ球菌)が主にのどに感染して、
発熱やのどの痛みなどが出る感染症状のことです。
最近では 5 日間でよいとされる抗生剤もありますが、中耳炎や肺炎など比較的重症な病気に使われ
溶連菌が引き起こす病気として、咽頭炎の他、劇症型溶血性レンサ球菌感染症(streptococcal toxic shock syndrome;以下、STSS)があり、感染症発生動向調査の5類感染症(全数把握)として位置づけられています。
溶連菌による咽頭炎は子どもに多い病気ですが、STSSは大人に多い病気です。重篤な基礎疾患を持っていなくても突然発病することがあり、四肢の疼痛、腫脹、発熱、意識障害等の初期症状から始まり、発病から病状の進行が非常に急激かつ劇的で、発病後数十時間以内には軟部壊死、急性腎不全等を引き起こすことから「ヒト食いバクテリア」とも呼ばれています。STSSは咽頭炎の場合とは異なり、傷口から感染することが多く、60~70歳代に多く、発症例のうち約3割が死亡するとされています5)。STSSの患者発生は1~6月に多く、原因となる溶血性レンサ球菌は、A群が多いですが、B群やG群等も報告されており、近年報告数が増加しています5)(図5)。
STSSの発症機序は不明なことが多く、国立感染症研究所と全国の地方衛生研究所が協力して詳細な解析を行っています。
病院報 Vol.17(小児外来で使用している抗生物質について(後編))
溶連菌が皮膚に感染すると、伝染性膿痂疹(とびひ)になります。最初は周囲の赤みを伴う水ぶくれで、水ぶくれがにごった膿となり、厚いかさぶたでおおわれます。溶連菌は、虫刺されや引っかき傷から入り込みます。感染した場所をかきむしると、どんどん感染が広がっていくことから、「とびひ」とも呼ばれます。汗をかいて肌が荒れやすい夏に流行します。
M蛋白は、抗オプソニン作用を有し、細胞への接着にも関与しており ..
溶連菌感染症の診断は、主に臨床症状と迅速抗原検査によって行われます。
最大限の治療効果を得るため、時間依存性、濃度依存性を考慮した点滴時間を設定 ..
溶連菌は、飛沫感染、接触感染や経口感染により感染するため、マスクの着用や手洗い励行により予防することができます。溶連菌感染症にかかってしまっても、適切な診断と治療を早期に受ければ、予後は良好です。溶連菌感染症と思われる症状がある場合は、マスクをし、咳エチケット(①マスクを着用し、口や鼻を覆う、②マスクがないときには、ティッシュやハンカチで口や鼻を覆う、③とっさの時は、袖で口や鼻を覆う)1)に注意する等、他の人に感染させない工夫をし、早めに医療機関を受診しましょう。
溶連菌感染症と診断された場合は、医師の指示に従い、早期回復や合併症予防のためにも抗菌薬をきちんと服用し、ゆっくり休むようにしましょう。
家庭内感染を防ぐために、タオルの共有を避けたり、感染している者との接触をなるべく避けたり、子どもを看病する際には親がマスクを着用したりする等の工夫も心がけましょう。
当所では、ここで紹介した検査の他、必要に応じて猩紅熱の病原因子である発赤毒素遺伝子や 型別の遺伝子解析も実施しています。このような検査を継続することにより、疫学情報を積み重ね、溶連菌の感染予防や拡大防止に努めていきます。
医療用医薬品 : サワシリン (サワシリンカプセル125 他)
臓器ごとに、その抗菌剤が届きやすい臓器と届きにくい臓器があり、届きにくい臓器が目標の場合、内服量を増やす必要があります。