糖尿病治療薬のSGLT-2阻害薬のフォシーガが⼼不全に対して効果があり、最近では収縮率の


心不全は多くの場合、心臓が収縮するごとに送り出される血液量の割合の測定値である左室駆出率によって、駆出率低下をともなう心不全(HFrEF)(左室駆出率が40%以下)、駆出率が軽度低下した心不全(HFmrEF)(左室駆出率が41%~49%)、駆出率が保持された心不全(HFpEF)(左室駆出率が50%以上)といったいくつかの種類に分類される。心不全患者の約半数はHFmrEFまたはHFpEFで、予後を改善する薬物治療の選択肢がほとんどないのが現状だ。


(HFpEF) の成人患者さんにおける心血管死または心不全の悪化のリスク低減 ..

国内では、▽「フォシーガ」(一般名・ダパグリフロジンプロピレングリコール、アストラゼネカ)▽「ジャディアンス」(エンパグリフロジン、日本ベーリンガーインゲルハイム)▽「カナグル」(カナグリフロジン水和物、田辺三菱製薬)――の3つのSGLT2阻害薬が、心不全と腎臓病を対象とした開発を行っています(カナグルは糖尿病性腎症のみ)。

ハーバード大学医学部およびブリガム・アンド・ウイメンズ病院の内科学教授で、第3相DELIVER試験の主任治験責任医師を務めるScott Solomon氏は、次のように述べている。
「DELIVER試験のこのような結果は、患者や臨床現場にとって重要なものです。これまでのHFpEFに関する他の臨床試験では、左室駆出率が高い場合に効果の減弱が示されましたが、ダパグリフロジンを用いた本試験では、左室駆出率にかかわらず一貫した結果が得られました。この所見は、ガイドラインにもとづく標準的治療の早期開始を推奨する最新の治療ガイドラインを補強するものでもあり、臨床現場でのSGLT2阻害薬のより広範な使用を支持できることが期待されます」。

「ダパグリフロジン(フォシーガ)」が、慢性心不全治療薬としての追加承認を ..

米国心臓病学会、米国心臓協会、および米国心不全学会が共同で発行した心不全ガイドライン2022年更新版では、左室駆出率が軽度低下した心不全(HFmrEF)および左室駆出率が保持された心不全(HFpEF)の治療薬としてフォシーガなどのSGLT2阻害薬を推奨している。これは、左室駆出率低下をともなう心不全(HFrEF)でのSGLT2阻害薬の使用を支持するこれまでの推奨を拡大するものだ。

慢性心不全では昨年11月、フォシーガがこのクラスの薬剤として初めて承認を取得し、ジャディアンスも適応拡大を申請。慢性腎臓病では、フォシーガが昨年12月に申請を済ませ、ジャディアンスも臨床第3相(P3)試験を行っています。カナグルは糖尿病性腎症を対象にP3試験を実施中です。

フォシーガ(ダパグリフロジン)の作用機序【糖尿病/心不全/CKD】

- 左室駆出率にかかわらず慢性心不全の治療薬として使用可能に -

今回の電子添文の改訂は、上記のDELIVER試験の結果にもとづき変更された。DELIVER試験は、2型糖尿病の有無を問わず、左室駆出率が40%超の心不全患者の治療として、フォシーガの有効性をプラセボとの比較で評価するようにデザインされた、国際共同、無作為化、二重盲検、並行群間比較、プラセボ対照、イベント主導型第3相試験。

添付文書の改訂は、左室駆出率の保たれた慢性心不全患者(HFpEF)を対象 ..

日本で承認されているフォシーガの効能・効果は、「2型糖尿病」、「1型糖尿病」、「慢性心不全(ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る)、および「慢性腎臓病(ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く)」。

DELIVER試験は、2型糖尿病の有無を問わず、左室駆出率が40%超の心不全患者の治療として、フォシーガの有効性をプラセボとの比較で評価するようにデザインされた、国際共同、無作為化、二重盲検、並行群間比較、プラセボ対照、イベント主導型第3相試験。フォシーガは、基礎治療[ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害剤の併用を除く、糖尿病や高血圧などのすべての併存疾患に対する地域の標準治療]への追加治療として1日1回投与された。DELIVER試験は、駆出率が40%超の心不全患者を対象に実施された最大の臨床試験であり、6,263例の患者が無作為化された。


心不全に対するSGLT2阻害薬の使い方についてまとめてみた 2023.12

選択的SGLT2阻害薬フォシーガ(一般名:ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)について、標準治療を受けている慢性心不全に対する追加承認を、2020年11月27日に取得したことをアストラゼネカと小野薬品工業が発表した。慢性心不全治療薬として国内で最初に承認されたSGLT2阻害剤となる。本承認は、2型糖尿病合併の有無にかかわらず、左室駆出率が低下した慢性心不全(HFrEF)を対象とした第III相DAPA-HF試験の結果に基づく。添付文書の「効能又は効果に関連する注意」には、左室駆出率が保たれた慢性心不全(HFpEF)における本薬の有効性及び安全性は確立していないため、HFrEFに投与する旨、記載されている。

フォシーガは、心血管死または心不全による入院を含む心不全の悪化による複合リスクを統計学的に有意に低下させた、初めてのSGLT2阻害薬である。第III相DAPA-HF試験において、標準治療との併用で主要複合評価項目をプラセボと比べて26%低下させた。また、主要複合評価項目の構成項目である心血管死および心不全の悪化の両方において、全体的にリスクを低下させた。試験期間中、フォシーガ投与群では患者21例ごとに1件の心血管死、心不全による入院、または静脈注射による心不全治療につながる緊急受診を回避した。また、本試験における安全性プロファイルは、これまでの安全性プロファイルと一致していた。

DAPA-HF試験は、フォシーガの心血管および腎に対する効果を評価する“DapaCare”という臨床プログラムの一部で、腎については第III相DAPA-CKD試験において慢性腎臓病患者の治療を検証している。さらに、第III相DELIVER試験においてHFpEF患者の治療についても検証中であり、2021年後半に結果が出ると見込んでいる。

フォシーガ添付文書に追加記載された内容

慢性心不全
ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。

左室駆出率が保たれた慢性心不全における本薬の有効性及び安全性は確立していないため、左室駆出率の低下した慢性心不全患者に投与すること。
「臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景(前治療、左室駆出率等)を十分に理解した上で、適応患者を選択すること。

HFpEF)の成人患者さんにおける心血管死または心不全悪化のリスク低減を ..

フォシーガは、左室駆出率が低下した心不全(HErEF)の患者を対象に行ったP3試験「DAPA-HF試験」で、標準治療への上乗せで主要複合エンドポイント(心不全の悪化/心血管死)をプラセボに比べて26%低下。慢性腎臓病患者を対象とした同「DAPA-CKD」でも、主要複合エンドポイント(腎機能の悪化/心血管死または腎不全による死亡)を39%抑制しました。いずれも、2型糖尿病の有無に関わらず有効性が示されており、「心・腎保護薬」としての期待が高まっています。

(ESC)速報:DELIVER試験 SGLT2阻害薬がHFpEFの治療薬として確立[心不全・心機能アカデミー]

第3相DELIVER試験でのフォシーガの安全性および忍容性プロファイルは、これまでに十分確立されているフォシーガの安全性プロファイルと一致していた。

フォシーガ錠10mg(アストラゼネカ株式会社)の基本情報・副作用

国内の患者数は、慢性心不全が130万人、慢性腎臓病が1330万人と推定されています。両疾患への適応拡大によって、SGLT2阻害薬の市場も大きく拡大しそうです。

HFpEF治療におけるSGLT2阻害薬の位置づけ | べーリンガープラス

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:堀井 貴史、以下、アストラゼネカ)と小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良 暁)は、アストラゼネカの選択的SGLT2阻害剤「フォシーガ®錠5mg、10mg(一般名:ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物、以下、フォシーガ)」について、既承認の慢性心不全の「効能又は効果に関連する注意」に記載の「左室駆出率」に関する記載を削除、およびそれに関連する情報を追記し、日本における電子化された添付文書(以下、電子添文)を改訂したことをお知らせします。

承認番号:22600AMX00528(フォシーガ®錠5 mg)、22600AMX00529(フォシーガ®錠10 mg).

昨年、SGLT2阻害薬として初めて慢性心不全での承認を取得し、慢性腎臓病への適応拡大を申請した「フォシーガ」。同薬を開発したアストラゼネカの緒方史子氏(執行役員 循環器・腎・代謝/消化器事業本部長)と矢島利高氏(メディカル本部 循環器・腎・代謝/消化器疾患領域統括部 統括部長)に、その意義や心・腎領域の事業戦略について聞きました。

with preserved ejection fraction (HFpEF)患者におけるエンパ

主要評価項目は、心血管死、心不全による入院、または心不全による緊急受診のいずれかが最初に発生するまでの期間。副次評価項目は、心不全イベント(心不全による入院または心不全による緊急受診)および心血管死の総数、8ヵ月時点でのカンザスシティ心筋症質問票の総症状スコアのベースラインからの変化量、心血管死までの期間、ならびに原因を問わない死亡までの期間など。

グリフロジンの有効性を検証した EMPEROR-preserved 試

これらは、上記のDELIVER試験の結果に基づき変更されました。今回の電子添文の改訂により、フォシーガは左室駆出率を問わず慢性心不全患者の治療薬として使用いただけるようになりました。

HFpEF に対して、主要評価項目として有効性を示したのは SGLT2 阻害薬が初めてで ..

フォシーガはこれにより、左室駆出率を問わず慢性心不全患者の治療薬として使用できるようになった。

【心不全】HFpEFを対象に後期開発中の有望新薬|DRG海外レポート

緒方:アンメットニーズのある領域に対し、既存薬とはまったく作用機序の異なる治療選択肢を提供できるという点で、大変意義のある適応拡大だと思っています。P3試験の結果を見ると、糖尿病の有無に関わらず、どの心不全治療薬と併用してもきちんと有効性を示していますので、多くの患者さんに使っていただける薬剤です。循環器の医師からの反響も大きく、「ぜひ使いたい」という言葉をたくさんいただいています。

[PDF] 心血管疾患治療での SGLT2(Gliflozins)、総説 NEJM,May 26, 2022

日本で承認されているフォシーガの効能又は効果は、「2型糖尿病」、「1型糖尿病」、「慢性心不全(ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。)、および「慢性腎臓病(ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。)」です。