フェキソフェナジン塩酸塩をグレープフルーツジュースあるいはオレ
グレープフルーツジュースと薬の飲み合わせひとつとっても、サイエンスの奥の深さが分かります。
フェキソフェナジン (FEX) エナンチオマーの消化管吸収におけるグレープフルーツジュース (GFJ) のOATP2B1阻害効果
薬物とグレープフルーツジュースとの相互作用は、同じCYP3A4で代謝される薬剤でも差があることが分かっています。経口で摂取した場合の生体利用率(バイオアベイラビリテイ 小腸などでの初回通過率)が低い薬剤ほど影響を受けやすく、高い薬剤にはほとんど影響はありません。カルシウム拮抗薬のなかでも、アムロジピンは生体利用率が高く、グレープフルーツジュースの影響を受けにくい薬剤の代表格です(アムロジピンを服用している方は気にする必要はないようです)。抗コレステロール薬では、シンバスタチン、アトルバスタチンは影響を受けやすく、ロスバスタチン、プラバスタチンは受けにくいとされています。このように同種同効薬でも差があるため、自分の服用する薬がどうであるのかを調べて知っておく必要がありそうです。グレープフルーツジュースが好きな方は、前述のように、薬を変更することも可能です。面倒な方は、飲むのを諦めましょう。
フェロジピンは、体(血中)に入るときに小腸のCYP3A4という薬物代謝酵素で70%が代謝され、体に入った後には肝臓で15%が代謝されます。グレープフルーツジュースに含まれるフラノクマリンによって小腸のCYP3A4が不可逆的に阻害され、小腸で代謝されずに血中に入るため、薬剤の血中濃度が上がってしまいます(肝臓の酵素活性には変化はありません)。水ではなく、グレープフルーツジュース250mlでフェロジピンを服用すると最高血中濃度が約3倍になってしまいます。グレープフルーツジュースを飲んでから4時間後に薬を飲んでも変化ありませんが、この作用は10時間後で半分に、24時間後に4分の1になります。グレープフルーツの果実、果皮でも同様の結果が得られています(その後の研究で、果皮は果実よりもはるかに多くのフラノクマリンを含むことが分かりました。ジュースは果皮も含めて作られるため、フレッシュな果実を食べた場合はあまり問題とならない可能性があります(十分なエビデンスなし))。また、オレンジジュースではこの作用がないことが明らかとなっています。
セリプロロール、フェキソフェナジン、アテノロール、グレープフルーツジュース.
1989年、カナダ、ウェスターンオンタリオ大学のBaileyらは、血管拡張作用のあるエタノールと、同様な作用をもつカルシウム拮抗薬フェロジピンとの薬物相互作用を調べました。その際使用したグレープフルーツジュースがフェロジピンの血中濃度を上げていることを偶然に発見したのでした。その後10年間で、このグループは、薬物とグレープフルーツジュースとの相互作用を明らかにしました。
アムロジピンなどの降圧剤、カルバマゼピンなどのてんかん薬、トリアゾラム(ハルシオン)などの睡眠薬、アトルバスタチンなどの高脂血症治療薬はCYP3A4という酵素によって代謝されますが、これらの薬剤はグレープフルーツジュースの摂取は控えるように薬局で伝えられています。最近、患者さんから、グレープフルーツを食べた場合はどうなのか?どれくらいの時間を空ければよいのか?ほかの柑橘類は?と質問を受けました。かつて、同様の質問を製薬メーカーの方に質問したことがありましたが、明確な答えは得られず、自分でも調べずにそのままにしておきました。そこで、今回は文献を漁ってみることとしました。
CYP3A4による代謝を受ける競合(グレープフルーツジュース)
一方、イスラエルのヘブライ大学ハダッサ医科大学のGorinstein氏らは、冠動脈バイパス手術を受けた43~71歳の高脂血症患者72人を対象にした30日間のプラセボ対照試験の結果、グレープフルーツとザボンを交配してできたスウィーティーの新鮮なジュースを毎日100mlまたは200ml飲むと、LDLコレステロールが低下したと報告している。
2013年、ハーバード公衆衛生大学院の村木氏らは、米国の医療従事者約350万人を対象にした前向き調査の結果、グレープフルーツのほか、ブルーベリー、ブドウ・レーズン、リンゴ・ナシ、バナナを週3回摂取することと、2型糖尿病に罹患するリスクの有意な低下が関連していたことがわかったことを報告した。ちなみに、果物ジュースをよく飲むことは2型糖尿病リスクの上昇と関連していたという。果物がジュースに加工される時点で、食物繊維が減ってしまうことが影響しているのではないかと筆者は考察している。
一方で、グレープフルーツ、オレンジ、リンゴと一緒に服用すると効果が減弱する薬剤もあります。フェキソ
こうしたグレープフルーツと薬の相互作用は、長いものでは3~7日間も持続するという報告もある。相互作用の可能性がある薬を内服している間は、グレープフルーツの摂取は控えた方がいいだろう。
グレープフルーツジュースは代謝酵素CYP3A4を阻害するが、その阻害作用は少なくとも何時間ほど続くとされているか。
DIクイズ5:(A)グレープフルーツジュースの影響を受ける降圧薬
薬と薬の飲み合わせを気にされている方は多いと思いますが、薬と食事・飲み物やサプリメントとなるとあまり意識していないのではないでしょうか?特にサプリメントなどはテレビや新聞・雑誌などでも盛んに宣伝され、実際多くの方が飲んでいるようです。しかし、医師や薬剤師にこうしたものを飲んでいるということを話す人は、4年程前のある調査では僅か3割~4割程度だったそうです。
そこで、今回は普段意外と見落としがちな薬と食事・飲み物・サプリメントの飲み合わせについて簡単にお話ししてみたいと思います。
はじめに食事との飲み合わせですが、ここで特に重要なのが「ドラール錠」という眠剤です。このお薬は胃の中に食べ物が残っている状態で服用しますと、薬の効果が強くなり過ぎて副作用が出やすくなります。この薬を飲んでいる方は、寝る前にものを食べたりしないように注意が必要です。
つぎに飲み物ですが、牛乳・お茶・コーヒー・アルカリイオン水などで薬を飲むと薬の効果が弱くなることが知られています。また、最近話題となるグレープフルーツジュースは一部の高血圧や高脂血症の薬などと一緒に飲むと、薬の作用が強くなり過ぎて副作用が出やすくなります。これとは逆にグレープフルーツとアレグラ錠(抗アレルギー薬)では薬の効果が弱まってしまうことも知られています。厄介な事に、こうしたグレープフルーツジュースの影響は1回飲んだだけでも3日程続くという報告もありますので、こうした薬を飲んでいる方は、できれば日常的にグレープフルーツを摂らないほうが良いかもしれません。但し、オレンジジュースではこうした飲み合わせは殆どないようです。
最後にサプリメントです。ワーファリンがビタミンKを多く含む健康食品などと飲み合わせがある(薬の効果が弱くなる)ことは良く知られていますが、最近よく耳にする「セントジョーンズワートエキス(西洋オトギリ草から抽出)」にも注意が必要です。このエキス成分が一部の薬の効果を弱めてしまうことがあり、今まで日常的にこのエキスを含むサプリメントなどを飲んでいた方が急にこれを止めてしまうと、今まで一緒にのんでいた薬の副作用が出やすくなる恐れがありますので注意しましょう。心配な方は医師や薬剤師にご相談下さい。詳しい説明は省きますが、多くの場合こうした飲み合わせが起きるのには体の中の「酵素」というもが深く関わっている事がわかっています。
今回ご紹介しました飲み合わせは必ず起きるというものではありませんが、「お薬手帳」などにサプリメントなどの服用について記録しておくことは、飲み合わせの確認をする時にとても大切な事なのです。
ところで,2007年にグレープフルーツジュースが有機アニオン輸送ペプチド(OATP)1A2を阻
さて、フェキソフェナジンの吸収量はグレープフルーツジュースで飲むことにより半分程度にまで減少することが報告されています。困ったことに、リンゴジュースやオレンジジュースでも同様です。フェキソフェナジンの吸収がジュースに含まれるバイオフラボノイド、フラノクマリン類、メトキシフラボン類などによって阻害されることに因ります。フェキソフェナジンは、水で飲むのが無難です。
[PDF] グレープフルーツに注意 薬を分解する働き阻害 ..
原因としては、グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類がこれらの薬の分解を抑制し、降圧作用が増強される機序が知られています。 ちなみに、果肉の赤いルビータイプよりも、ホワイトタイプの方がフラノクマリン類の含有量が多いようです。ジュースも果肉も避けていただくのがよろしいようです。
A デスロラタジン ; B · フェキソフェナジン ; C · ビラスチン ; D · ルパタジン.
これはとても有名な飲み合わせです。降圧剤でもカルシウム拮抗剤と呼ばれるグループが比較的影響を受けるようです。アゼルニジピン(先発品名:カルブロック、以下同様)、シルニジピン(アテレック)、マニジピン(カルスロット)などは血中濃度が通常の2倍以上になるようです。一方で、アムロジピン(アムロジン・ノルバスク)などは、あまり影響を受けないようです。但し、添付文書には併用注意の記載がなされています。
胃や腸で起きること 薬の「のみ合わせ」Vol.1 | 住友ファーマ株式会社
フェキソフェナジンによる効果実感できていない患者様に対して、グレープフルーツジュース、リンゴジュース、オレンジジュースと同時に服用していないか聞き、そうであれば、水での服用を勧めると良いだろう。
オレンジ、リンゴ、グレープフルーツなどのフルーツジュースに含まれる成分 ..
フェキソフェナジンは小腸に発現しているOATP1A2 と OATP2B1を通じて吸収される薬であり、グレープフルーツジュース、リンゴジュース、オレンジジュースはOATP1A2 と OATP2B1を阻害するため、フェキソフェナジンの血中濃度が低下する。
抗アレルギー薬(フェキソフェナジン)、高血圧症薬(セリプロロール)
一方、相互作用では、①チアジド系利尿薬での血圧の上昇(代謝阻害)②トラゾドン(レスリン)での昏睡状態(GABA 性シナプス増加,CYP3A4 阻害)③ワルファリンの抗血液凝固作用の増強(協力作用)④アスピリンでの前房出血(協力作用)⑤ジゴキシンでの血中ジゴキシン濃度の上昇(原因不明)などが報告されています。
<「食品・サプリメントと医薬品との相互作用」内田信也・山田静雄より>