頸部への単回筋肉内注射で VOREN®懸濁液(1 mg デキサメタゾン-21-イソニコチン酸エステ
18.1作用機序
デキサメタゾンは合成副腎皮質ホルモンで、天然の糖質コルチコイドと同じ機序により抗炎症作用を発現する。糖質コルチコイドは受容体に結合して特定の遺伝子の転写を開始あるいは阻害する。その結果、起炎物質の生合成抑制と炎症細胞の遊走抑制により抗炎症作用を現すと考えられる。18.2抗炎症作用
・デキサメタゾンの抗炎症作用の強さはヒドロコルチゾンの25倍、プレドニゾロンの6倍で、ベタメタゾンとは同程度とされている。・ウサギ硝子体内に起炎剤(アジュバント)を投与して惹起させたブドウ膜炎に対するデキサメタゾンの作用を検討した。1%デキサメタゾン懸濁液を起炎剤投与1時間前と投与1、3、5、7時間後に各2滴ずつ点眼すると、起炎剤投与24時間後の炎症ピーク時の房水蛋白濃度の増加、房水中への白血球遊走、虹彩毛様体の腫脹をいずれも有意に抑制した。
・ウサギ硝子体にフェリチンを投与して惹起させた実験的ブドウ膜炎に対し、0.1%デキサメタゾン液を1回0.5mL、1日1回結膜下注射したところ、虹彩の充血や硝子体の細胞浸潤などの炎症症状や房水内蛋白濃度を明らかに抑制した。18.3抗アレルギー作用
抗血清0.05mLを結膜内注射して感作させたラットに、抗原として20%卵白アルブミン溶液10μLを点眼することによって惹起した受身アナフィラキシーに対するデキサメタゾンの抑制効果を検討した。0.1%デキサメタゾンを抗原点眼前1、2、3、4、5時間の計5回点眼したときの抑制率は57.1%であった。
・ウサギ硝子体内に起炎剤(アジュバント)を投与して惹起させたブドウ膜炎に対するデキサメタゾン
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.重大な副作用11.1.1.緑内障(頻度不明):連用により、数週後から眼内圧亢進、緑内障があらわれることがある〔8.1参照〕。
11.1.2.角膜ヘルペス、角膜真菌症、緑膿菌感染症(いずれも頻度不明):角膜ヘルペス、角膜真菌症、緑膿菌感染症等を誘発することがある。11.1.3.穿孔(頻度不明):角膜ヘルペス、角膜潰瘍又は角膜外傷等に投与した場合には角膜穿孔を生ずることがある〔9.1.1、9.1.2参照〕。
11.1.4.後嚢下白内障(頻度不明):長期投与により、後嚢下白内障があらわれることがある。11.2.その他の副作用
1).眼:(頻度不明)眼刺激。2).下垂体・副腎皮質系機能(長期連用した場合):(頻度不明)下垂体・副腎皮質系機能抑制。
3).その他:(頻度不明)創傷治癒遅延。
(禁忌)
2.1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。(重要な基本的注意)
8.1.連用により、数週後から眼内圧亢進、緑内障があらわれることがあるので、定期的に眼内圧検査を実施すること〔11.1.1参照〕。(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.角膜上皮剥離又は角膜潰瘍のある患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(症状が増悪するおそれがあり、また、角膜穿孔を生ずるおそれがある)〔11.1.3参照〕。
9.1.2.ウイルス性結膜疾患・ウイルス性角膜疾患、結核性眼疾患、真菌性眼疾患又は化膿性眼疾患のある患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(症状が増悪するおそれがあり、また、角膜穿孔を生ずるおそれがある)〔11.1.3参照〕。(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。長期・頻回投与を避けること。(小児等)
特に2歳未満の場合には、慎重に投与すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。(高齢者)
一般に生理機能が低下している。(適用上の注意)
14.1.薬剤交付時の注意患者に対し次の点に注意するよう指導すること。
・〈投与方法共通〉薬剤汚染防止のため、塗布するとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。・〈投与方法共通〉他の点眼剤を併用する場合には、本剤を最後に使用する(その際、少なくとも5分以上間隔をあける)。
・〈結膜嚢内に塗布する場合〉結膜嚢内に塗布する場合、患眼を開瞼して結膜嚢内に塗布し、閉瞼して軟膏が全体に広がった後、開瞼すること。・〈結膜嚢内に塗布する場合〉結膜嚢内に塗布する場合、軟膏が眼瞼皮膚等についた場合には、すぐにふき取ること。
(保管上の注意)室温保存。
白色ウサギに0.1%3Hデキサメタゾン懸濁液25µLを点眼し、各眼組織
デキサメタゾン眼軟膏0.1%「ニットー」 | 今日の臨床サポート
1%カラゲニン懸濁液を起炎剤とし、ラット左後肢足蹠皮内に注射後、左後肢足蹠容積を経時的に測定し